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平成14年第1回定例会(第1日 3月 1日)

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  1. 目黒区議会 2002-03-01
    平成14年第1回定例会(第1日 3月 1日)


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    平成14年第1回定例会(第1日 3月 1日)      平成十四年第一回定例会              目黒区議会会議録   〇 第 一 日 一 日時 平成十四年三月一日 午後一時 一 場所 目黒区議会議場 一 出席議員(三十三名)           一  番  増  田  宜  男           二  番  工  藤  はる代           三  番  森     美  彦           四  番  沢  井  正  代           六  番  小  林  フミ子           七  番  坂  本  史  子           八  番  佐久間   やす子           九  番  高  品  吉  伸           十  番  雨  宮  正  弘
              十一 番  野  沢  まり子           十二 番  堀  田  武  士           十三 番  くりた   靖  巳           十四 番  青  木  早  苗           十五 番  川  崎  えり子           十七 番  岡  田     弘           十八 番  鈴  木  驕@ 道           十九 番  石  山  京  秀           二十 番  栗  山  鈴太郎           二十一番  つづき   秀  行           二十二番  木  村  洋  子           二十三番  小  林  くにお           二十四番  俵     一  郎           二十五番  宮  沢  信  男           二十六番  二ノ宮   啓  吉           二十七番  石  橋  佳  子           二十九番  清  水  真  邦           三十 番  下  岡  こうじ           三十一番  島  崎  たかよし           三十二番  上  村  泰  一           三十三番  長谷川   光  延           三十四番  橋  本  欣三郎           三十五番  平  野  サトシ           三十六番  原     千万年 一 欠席議員(一名)           十六 番  寺  島  よしお 一 出席説明員        区      長      藥師寺   克  一        助      役      佐々木   英  和        収入役           安  田  直  史        企画経営部長        川  島  輝  幸        区長室担当部長       伊  藤  良  一        新庁舎担当部長       鈴  木     勝        総務部長          木  村    久        区民生活部長        浅  沼  裕  行        健康福祉部長        武  藤  仙  令        健康推進担当部長      清  水  裕  幸        子育て支援担当部長     横  田  俊  文        都市整備部長        粟  田     彰        事業推進担当部長      入  江     巧        環境清掃部長        原  川  博  之         ────────────────        教育長           大  塩  晃  雄        教育次長          加  藤  芳  照        文化施設担当部長      清  野  久  利         ────────────────        選挙管理委員会事務局長   白  鳥  哲  雄         ────────────────        代表監査委員        大  竹     勲        監査事務局長        奥  村  俊  一 一 区議会事務局        局     長       佐々木   一  男        次     長       三  木  健  二        議事・調査担当係長     小  池  克  二        議事・調査担当係長     荒  井  孝  男        議事・調査担当係長     増  田  正  憲        議事・調査担当係長     山  田  映  子        議事・調査担当係長     田  中  祐  子  第四回目黒区議会定例会議事日程 第一号          平成十四年三月一日 午後一時開議 日程第一   会期の決定 日程第二   代表質問    〇午後一時一分開会 ○宮沢信男議長 ただいまから平成十四年第一回目黒区議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。   ◎会議録署名議員の指名 ○宮沢信男議長 まず、会議録署名議員を定めます。  本件は、会議規則第百十七条の規定に基づき、議長から御指名申し上げます。    十七番  岡 田  弘  議員    二十番  栗 山 鈴太郎 議員 にお願いいたします。   ◎諸般の報告 ○宮沢信男議長 次に、諸般の報告を申し上げます。  十六番寺島よしお議員から欠席届がありました。  次に、敬宮愛子様の御誕生を祝し、目黒区議会として賀詞を差し上げる件につきましては、文書をもって連絡いたしたとおり平成十三年十二月七日付をもって差し上げました。  次に、区長から地方自治法第百八十条第一項の規定に基づき、専決処分した和解について報告がありました。  次に、監査委員から平成十三年十月分、十一月分及び十二月分の例月出納検査の結果について報告がありました。  以上の報告につきましては、いずれも文書をもって配付いたしました。  また、議長会及び委員長会の概要につきましては、文書をもって報告いたしました。  以上で報告を終わります。  これより日程に入ります。  日程第一、会期の決定を議題といたします。  ────────〇────────  ◎会期の決定 ○宮沢信男議長 お諮りいたします。今期定例会の会期は、三月一日から三月二十九日までの二十九日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    宮沢信男議長 御異議なしと認めます。よって、会期は二十九日間と決定いたしました。   ◎区長の所信表明 ○宮沢信男議長 次に、区長から所信表明のため発言の申し出がありますので、これを許します。    〔藥師寺克一区長登壇〕 ○藥師寺克一区長 平成十四年第一回区議会定例会の開催に当たり、私は区政をめぐる社会経済情勢の変化を踏まえ、区民福祉の向上と地域社会の発展に向けた平成十四年度における区政運営の基本方針、財政状況、重点施策につきまして私の所信を申し上げ、区民の皆様と議員各位の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。  まず、平成十四年度の区政運営に臨むに当たっての私の基本認識を申し上げます。  平成十三年度は平成十二年度に改定された長期計画の初年度として、基礎的自治体としての責任と自覚のもと、区民生活をより豊かなものとしていくため、区政運営に取り組んでまいりました。  また、これまでの行財政改革の実績を踏まえ、今後の自治体運営における新たな課題に対応するとともに、着実に財源の確保を行うため、さらなる行財政改革を目指し、「行財政改革大綱」の改定を終える運びとなりました。ここに改めまして、区民の皆様と議員各位の御協力に対し、厚く御礼申し上げます。  さて、平成十四年度は折しも区制施行七十周年に当たり、また、特別区制度改革や地方分権改革が実現されて三年目を迎えます。これからの改革は導入の段階から本格的な実施の段階となり、本区は自立した基礎的自治体として新時代の目黒区のまちづくりに向けた取り組みを目指し、区民ニーズにより、的確にこたえる施策の展開、さらなる行財政改革や職員の意識改革などを通して区政運営の質の向上を図るとともに、「自立と飛躍の区政」を一層展開していくときを迎えております。このような年に長年の課題でありました都立大学跡地の第二期工事として建設を進めてまいりました文化ホールなどの教育文化施設の開設と、新庁舎への移転が実現いたしますことは、まことに意義深いことと存じます。  平成十五年一月に予定いたしております新庁舎移転につきましては、新庁舎利用計画基本構想に基づき、諸課題の解決を図りながら、区民サービスの向上を図るとともに、環境に配慮した新時代にふさわしい庁舎として整備してまいります。すなわち区政の総合化・高度化を支える「自治の中心拠点となる庁舎」、区民の交流や憩いの場として区民に身近で開かれた「区民に親しまれる庁舎」、環境負荷の低減を図るとともに周辺環境にも調和した「環境との共生を目指す庁舎」としてまいりたいと考えております。  また、昭和十一年竣工の旧館から考えますと、六十五年間も区役所と一体となって発展してまいりました現庁舎周辺地域につきましては、長年、区役所の地元としてお世話になりましたことを感謝申し上げるとともに、庁舎移転による悪影響を及ぼすことのないよう努めてまいる所存でございます。  次に、区政を取り巻く社会経済状況に対する認識について申し上げます。  バブル経済崩壊後、以前のような右肩上がりの経済成長は望めず、今後もさらに厳しい経済状況が続くことが予測されます。バブルの崩壊やアジア諸国の工業化など経済構造が激変する中で、変化への対応が極めて難しい時代になっております。たびたびの財政支出による景気対策が実施されたものの、政府が支出を拡大しても財政赤字の拡大が将来の増税への懸念も生み、それが消費を抑制し、民間の投資を誘発する効果を低下させるなど、財政支出が経済を活性化させる効果が弱まってきていることから、日本経済の先行きは強い不透明感に包まれております。  さらに二〇〇八年ごろには、我が国の人口が減少に転じ、二〇一〇年から二〇一五年ごろにかけて、これまで労働人口の中核でありましたベビーブーム世代が年金受給者となると言われております。急速な少子・高齢化などを背景に、健康面でも経済面でも恵まれていないという旧来の高齢者像にとらわれず、施策の展開を図る必要があり、現行制度の適合性、世代間・世代内の公平性の問題など、国民的な多くの課題の解決に迫られております。このような時代状況に対応し、人々が安心して暮らすことができる社会を実現していくために、今日、我が国の行政に問われている最も重要な課題が地方分権の推進であると考えるのであります。  平成十二年四月に、各自治体がそれぞれの地域の個性に合致した施策をみずからの責任と判断で展開していくことを目指す地方分権改革が実現して約二年が経過し、行政はこれまで以上に地域住民のニーズを迅速かつ的確に反映できる行政体制の整備の確立を図るなど、地域の実情に応じた主体的な取り組みを進めることが求められております。  そのためにはまず、行財政改革の一層の推進による財源確保に取り組まなければなりません。本区は平成十年三月に行財政改革大綱を策定し、これまで総合的・積極的に改革を進め、着実に成果を上げてまいりました。その後、新時代にふさわしい自治体行政を展開し、区民生活をより豊かなものとしていくために、平成十二年度に長期計画を改定いたしました。そこで、個性豊かな地域社会の形成、少子・高齢社会への取り組みなど、新たな課題への対応を図る必要から行財政改革大綱を改定し、これからも一層の行財政改革を推進してまいります。  私はこのような時代認識のもとに、区民一人ひとりが将来の生活への不安を払拭し、生きがいとゆとりを持ち、「真の豊かさを実感できる地域社会」をこの目黒区に実現するため、努力を傾注してまいる所存でございます。  次に、新年度の区政執行に臨む私の基本姿勢について申し上げます。  基礎的自治体としての区政は、常に区民の立場に立って考え、実行する思いやりの心とわかりやすさを念頭に置いた、「思いやりとわかりやすい区政」に徹することであると考えております。常に区民の立場に立って、生活者・納税者としての視点と時代感覚に即した改革意欲を持ち、積極的な姿勢で行政を行っていくことが求められていると存ずるのでございます。  私はこの信念のもとに、「思いやりとわかりやすい区政」を区政の基本に据え、次に申し上げることを区政執行に臨む基本姿勢として区政を進めてまいる所存でございます。  その第一は、「区民と行政の協働によるまちづくりの推進」でございます。  分権時代における基礎的自治体として、今後とも区政運営に当たり欠かすことのできない視点は、区民と行政の協働によるまちづくりの推進であります。  地域課題の解決や自治意識と連帯感に支えられた住みよいまちづくりを進めていくために、区はコミュニティ活動ボランティア活動、NPOの活動を初め、区民による自主的な公共的活動に対して、対等なパートナーとして連携・協力する協働の関係を築いていくことが必要であります。区民と区が十分な協議を重ね、区民福祉の向上を目指すという共通の目的を確認しながら、地域の課題の解決に向けて連携してまいらなければなりません。  したがいまして、今後、全職員が共通の理解のもと、各事務事業の執行に当たって、常にこれらの活動にかかわる多くの区民との望ましい連携・協力の関係を築くよう、その実現に努めることといたします。  さらに、区政のあらゆる場面で区民と行政との間に良好な信頼関係を築いていくには、住民の声を的確に把握し行政に反映させていくよう、「区政のつどい」の開催などを通して行政としての説明責任を積極的に果たし、透明で開かれた区政運営に徹することが欠かせない条件でございます。  また、本区では昨年四月に情報公開条例を改正し、従来の請求に基づく公開より一歩進んだ政策過程情報公表制度を実施いたしましたが、今後とも区民と行政が情報を共有できる条件の整備に向けて取り組んでまいります。  第二は、「男女が平等に参画する社会づくりの推進」でございます。  区民一人ひとりが生きがいやゆとりを持ち、「真の豊かさを実感できる地域社会」の第一条件は、平和が守られ、すべての人が人間として平等に大切にされ、基本的人権が侵害されることのない社会でございます。  そのような社会を実現していく上で男性も女性もひとしく個人の能力を発揮し、家庭・地域・職場など、社会のあらゆる分野の活動に対等な立場で参画し、ともに責任を分かち合う「男女が平等に参画する社会」を形成していくことは、最も基本的な課題であると存じます。  このため、本区は目黒区男女平等参画懇話会の答申をいただき、「目黒区男女が平等に共同参画する社会づくり条例(案)」を本議会に提案させていただいております。新年度以降、この条例を基本として、この目黒区に「男女が平等に共同参画する社会」を実現するための取り組みを推進してまいります。  第三は、「基礎的自治体としての行財政能力の充実」でございます。  特別区制度改革の実現と地方分権の推進によって、拡大した権限と責任にふさわしい区政を展開していくため、これまで区は行財政改革大綱に基づき常に行財政改革に取り組み、簡素で効率的な行政執行体制の確立に努めるとともに、「環境基本条例」「中小企業振興基本条例」の制定、「健康都市宣言」「児童虐待防止連絡会議」「ISO認証取得」などの目黒区独自の施策を展開してまいりました。  今後は、さらに基礎的自治体にふさわしい主体的な行政運営を図るため、区民への説明責任をより積極的に果たすとともに区政運営の質の向上を図り、区民がより一層満足でき、また、区民が税金の払いがいを実感できるよう、包括外部監査制度事業評価制度を導入し、実施した事業について成果重視の観点からその費用対効果などを客観的に評価し、区民にわかりやすい区政運営となるよう工夫を凝らしてまいります。さらに自治体職員としての政策形成能力の向上や意識改革に積極的に取り組んでまいる所存でございます。  次に、平成十四年度予算案について申し上げます。  我が国の経済は昨年から景気回復の動きが弱まり、夏以降大きく変化する厳しい状況が続いております。政府の財政見通しでは、平成十三年度の実質成長率をマイナス一・〇%程度とし、平成十四年度も後半における回復の動きを期待しても〇%と見込まれているところでございます。  このような中、国の平成十四年度予算案は構造改革を進める「改革断行予算」と位置づけられており、一般会計総額の伸びを二年連続でマイナスとし、政策的経費である一般歳出を二・三%減と過去最大の減額幅とする一方で、環境問題への対応など七つの重点分野への重点的な予算配分を行っております。  また、東京都におきましては、平成十四年度予算を「より一層財政構造改革を推進するとともに、東京が直面する危機に積極的に対応する予算」と位置づけ、一般会計の予算規模を前年度比四・八%減の緊縮型予算とする一方、首都圏の再生と都民生活の不安解消のための優先課題に財源を重点的に振り向けるものとしております。  さて、本区におきましては、現下の景気の動向から区財政を取り巻く環境が再び厳しさを増す中、区政が直面する課題の解決を着実に進めるため、より一層簡素で効率的な行政運営に徹し、限られた財源を重点的・効率的に配分することを基本方針といたしまして、予算編成に臨んだところでございます。  特に、平成十四年度予算は特別区制度改革から二年を経て、基礎的自治体として「自立と飛躍の区政」のさらなる展開を期する予算と位置づけ、区民待望のめぐろ区民キャンパス施設のオープンや新たな自治の中心拠点としての新庁舎移転などの大きなプロジェクトの着実な実行を含め、区政の各分野において施策の積極的展開を図り、「真の豊かさを実感できる地域社会」の実現を目指し、この予算を編成いたしたものでございます。  それでは、一般会計につきまして、予算案の概要について申し上げます。  一般会計の歳入歳出予算額は一千百八億二千六百余万円でございまして、前年度と比べ額で八十八億円余、率で八・七%の大幅な伸びとなり、過去最大の予算規模となっております。  これは新庁舎用地・建物の取得費や改修費など、新庁舎施設整備費を計上したことが大きく影響しているものでございます。その財源といたしましては、区有地売却収入や基金繰入金などを計上し、歳入歳出ともさきに作成した「庁舎移転財政計画」に沿った内容といたしております。  次に、歳入についてでございますが、区税収入につきましては、前年度当初予算に比べ一・〇%の減を見込んでおります。  特別区交付金につきましては、調整税のうち、特に市町村民税法人分の減収の影響や、事業実績に基づく算定分の減などにより、前年度に比べ一八・三%減と大幅に減額し、計上いたしております。  このほか、郵便貯金の満期集中がピークを越えたことによる利子割交付金の減などもあり、平成十四年度当初予算では、歳入面で再び厳しい状況に転換をいたしました。  このため、最終的な財源対策として財政調整基金を取り崩すとともに、減債基金の活用を図り、現段階で取り得る最大限の対応をいたしたものでございます。  次に、歳出につきましては、平成十四年度行財政運営基本方針に定めました重点施策について、それぞれ具体化を図っておりますが、このことにつきましては後ほど触れさせていただきます。  次に、特別会計でございますが、国民健康保険特別会計老人保健拠出金の伸びなどにより、前年度に比べ三・九%の伸びの百八十二億五千六百余万円と見込み、老人保健医療特別会計は医療諸費の増に伴い、二百二十八億八千余万円とし、五・一%の伸びを見込みました。  介護保険特別会計は、保険給付費の伸びなどにより、前年度に比べ七・四%の増、百十六億二千二百余万円を見込みました。  用地特別会計は、上目黒JR用地碑文谷公園拡張用地及び中目黒公園用地の償還経費の計上のみとなったため、前年度に比べ一九・七%の減で九億七千五百余万円となりました。  以上、一般会計と四特別会計の合計予算額は、一千六百四十五億六千百余万円で、七・三%の増となった次第でございます。  なお、予算案に反映いたしました事務事業の見直しなどでございますが、今回の予算編成に当たりましては行財政改革大綱の改定作業を進める中で、財政計画に沿った財源を確保するため早い時期から見直し項目の検討を進め、今回の予算案には歳出削減と歳入確保を合わせ、総額十億円余の見直し額を反映いたしております。  先ほど申し上げましたとおり、今回の予算案では歳入面の厳しさなどから、減債基金の公園償還財源の一時活用を含め、財源対策として多額の基金の繰り入れを行っており、現在の景気動向や国の政策動向からも、今後の財政運営は極めて厳しいものとなると思われます。このような状況に対応するとともに、中長期的な財政構造の健全化を図るためには、行財政改革への強力な取り組みが不可欠と考えております。  「自立と飛躍の区政」を進めるための財政的な基盤を確立するため、私は今後、行財政改革の推進に全力を挙げて取り組む所存でございますので、区民の皆様と議員各位の御理解・御協力をお願い申し上げる次第でございます。  次に、重点施策と主な事業について申し上げます。  重点施策の第一は、長期計画の基本目標の一つ「豊かな人間性をはぐくむ文化の香り高いまち」の実現に向けての「心豊かな子供の育成と生涯学習・文化・スポーツの振興」でございます。  まず、教育分野におきましては、特別区制度改革により、より地域に開かれた区民に身近な教育行政が展開できるようになりました。そこで、大きく変革します教育行政を実効性あるものとするため、重点的に予算を配分いたしました。  学校教育分野におきましては、本年四月からの完全学校週五日制の実施に伴い、新しい学習指導要領が全面実施されます。  新しい学習指導要領は、確かな学力の向上と生きる力を育成することを基本的なねらいとしています。そこで、少人数指導や選択教科の充実などを図るため学習指導員を配置するほか、小中学校の情報教育指導員の勤務時間の延長、小学校における英語教育を充実するため、外国語指導員の増員を図ります。施設面においては、小中学校校舎などの耐震補強のため八校で設計、八校で工事を進めるほか、学校環境改善三カ年集中プランの一環として普通教室など涼風化対策やトイレ改修を行うほか、給食室の改修、コンピューターの新機種入れかえ、コンピューター室の整備など、教室環境の整備を引き続き重点的に進めてまいります。  さらに、中学校スクールカウンセラー配置の充実や、中学校に心の教室相談員を配置するなど、児童・生徒の心理面の指導の充実を図るとともに、学校評議員を各学校に設置し、地域に開かれた学校づくりを推進します。また、子供をみんなで育てることを重視する地域社会づくりの推進を目指し、青少年健全育成や完全学校週五日制に関するパンフレットの全戸配布を行います。  また、昨年十二月二十八日に区立中学校適正規模等検討委員会から教育長に答申が出されました。区立の十二の中学校が生徒数の減少などにより、現在は適正規模の確保ができていない学校が生じておりますので、今後は議会を初め、区民の意見などを伺いながら教育委員会の検討結果を踏まえ、区としての方針をつくってまいります。  なお、学校施設につきましては、これまで小中学校の空き教室などの福祉施設等への転用など、有効活用を進めてまいっております。今後も可能な施設につきましては、例えば、地域住民が集い、リサイクル活動や緑化の学習をしたり、あるいは会食サービスで高齢者や障害者や子供たちが食事をしながら自然と交流する場とするなど、いわば福祉と環境の拠点として有効活用することも検討してまいりたいと存じております。  また、生涯学習・文化・スポーツの振興につきましては、区民の自発的な学習活動を支援するとともに、新しい情報通信技術を活用し、社会教育館などでのパソコンの講習をボランティアの協力を得て実施するとともに、図書館情報システムを一新し、区民の利便性の向上を図ってまいります。また、区民の健康志向とともにスポーツなどへの関心が高まっている中で、ラジオ体操講習会などの健康スポーツを引き続き推進するとともに、八雲体育館での健康体力相談の充実や総合型地域スポーツクラブのモデル実施にも新たに取り組んでまいります。施設面では区民の生涯学習を支援するために都立大学跡地の文化ホール・中央図書館・八雲体育館などの教育文化施設や上目黒二丁目文化公益施設として図書館・ホールの開設を行うとともに、新たな発展を期して芸術文化の振興に関する条例の制定に向けた取り組みを進めてまいりたいと存じます。  第二は、「触れ合いと活力のあるまち」の実現に向けての商工業の振興と消費生活環境の向上でございます。  日本経済は昨年以上に厳しくなると言われておりますが、区内の商工業の振興対策は中小企業経営にとってはもとより、本区の地域社会の活性化に欠かすことのできない、緊急かつ重要な課題であると認識いたしております。また、規制緩和や情報化が進み、あわせて消費生活の安定向上を図っていく必要があります。そこで、本区といたしましては、事業主の方々の主体性と自助努力とを基本に据えながら、産業振興ビジョンの具体化に取り組んでまいりました。一月に商店街振興プラン策定検討委員会からの答申を受け、商店街振興プランを策定し、商店街の新たな魅力づくりに取り組んでまいります。さらに新年度には、区、企業者、区民が一体となって地域経済の活性化に取り組むため、産業政策区民会議を設置し、商工業者・金融機関などと幅広く意見交換を行い、区内商工業の振興施策を積極的に推進してまいる考えでございます。  このほか新年度におきましては、中小企業の経営基盤を強化するため経営安定資金特別融資の期間延長を行うほか、商業振興策としてプレミアム付商品券事業補助、街路灯整備等補助、店舗アドバイザー派遣や若手商業者のネットワークづくりへの支援、地元消費者との懇談会への支援、ホームページの作成などの商店街等販売促進事業、自由が丘地区の商業活性化を図るための中心市街地活性化基本計画を受けて、自由が丘地区TMO設立・構想策定支援事業を支援してまいります。また、工業振興策として新製品の新技術開発や産学交流、国際規格取得、異業種交流などの企業体質強化の支援、環境・福祉ビジネスの支援や製造業の後継者育成、操業環境改善支援などを実施してまいります。  また、商品などに関する情報がはんらんし、悪質業者による被害がふえている状況の中で、区民が安心して消費生活が営むことができるよう、消費者相談の充実などを図り、時流に合わせて消費者を保護する仕組みづくりを改めて整備するため、消費生活基本条例の制定に向けた調査・研究をしてまいります。  さらに、上目黒二丁目文化公益施設内に産業関係の情報提供や気軽に利用できるサロンとなる産業支援施設として「さんまサロン」を開設します。また、別の視点から地域経済の活性化を推進するため、名所旧跡を探求する従来の観光をより一歩進めて、商店街・企業自体の持つ魅力を新たに引き出し、新しい観光資源としてとらえ、産業と文化施設をうまく結びつけた新しい観光行政に取り組みます。  また、厳しい雇用情勢の現状に照らし、区民の雇用促進を図るため、公園などの樹木補植・刈り込み作業など、目黒区独自で区民の雇用対策事業を実施いたします。  第三は、「ともに支え合い、健やかに安心して暮らせるまち」の実現に向けての地域保健福祉と健康づくりの充実でございます。  昨年十二月に地域福祉審議会からいただきました「保健福祉サービスの苦情解決制度のあり方について」の答申を踏まえ、保健福祉サービス利用者の苦情に第三者的立場から対応し、利用者保護を図る仕組みとして、保健福祉サービス苦情調整委員制度を実施いたします。  また、介護保険の実施状況を踏まえ、低所得者が確実に利用できる減額制度を充実するため、目黒区独自の介護保険低所得利用者負担軽減事業の対象サービスを二つから七つに拡充を行うほか、介護保険サービス評価のあり方の検討や高齢者センター機能訓練室での通所リハビリテーション事業の開始などを行うとともに、引き続き介護保険基盤整備のための民間事業者への施設整備費補助などを進めます。  一般高齢福祉施策といたしましては、民生委員によるひとり暮らし高齢者等の調査、高齢者住宅改修アドバイザー養成等研修、高齢者食事サービスの充実、高齢者対象のパソコン講習会、中町老人いこいの家の改築基本設計などを実施いたします。  障害者福祉に関しましては、知的障害者更生・授産施設の建設費補助、知的障害者の生活寮・通所授産施設の運営費補助、緊急一時保護施設事業の充実、障害者の就労支援のため、めぐろ区民キャンパス内の福祉の店の運営補助、東横線中目黒駅へのエレベーター整備支援を行うほか、すくすくのびのび園や碑文谷福祉工房が現在の第二庁舎に移転することに伴う整備を行うなど、施策の充実を図ってまいります。  児童福祉の分野では、学校の空き教室を活用した中根小学校内学童保育クラブの開設、児童虐待防止マニュアルの作成など子ども家庭支援センターの充実、区立保育所の定員を四十六人ふやしたり認証保育所運営費補助、八雲保育園改築基本設計などや母子生活支援施設基本設計等、家庭福祉員の充実など、子育て支援施策を充実してまいります。  このほか、東京都からの事務委譲に伴います児童扶養手当支給事務、求職活動等に対応する一時保育事業の実施、保育サービス第三者評価調査などを行います。  健康づくりの分野に関しましては、「健康都市宣言区」として、区民が自分の健康は自分で守り、つくるという認識に立って、区民の主体的・継続的な健康づくりへの取り組みを支援するために、健康大学でのコース増、健康づくり協力店の普及、めぐろ健康広場の開催などの「健康めぐろ21」推進事業や、四十歳以上の健康診査においての肝炎ウイルス検査の実施を図るほか、エックス線デジタル画像処理装置の導入、目黒区保健所中目黒庁舎・中目黒休日診療所・調剤薬局の新庁舎内への移転を行います。さらに国民健康保険被保険者証を世帯に一枚ではなく、被保険者一人に一枚のカード様式で発行することといたします。  第四は、「環境に配慮した、安全で快適なまち」の実現に向けた重点施策として、まず安全で快適な都市環境の整備でございます。  今年度に続きまして、平成十五年度を目途として、都市計画法に基づき本区の都市整備にかかわる基本的な方針を定める「都市計画マスタープラン」の策定、及びいわゆる交通バリアフリー法に基づく「バリアフリー推進基本構想」の策定に向けて検討を進めてまいります。  また、引き続き木造住宅密集地域整備事業や都市防災不燃化促進事業、防災生活圏促進事業など、災害に強いまちづくりを着実に推進するとともに、都市計画道路整備、目黒線連続立体交差事業、上目黒一丁目地区の市街地再開発の促進や、大橋一丁目・自由が丘駅・都立大学駅・大岡山駅の周辺や目黒線沿線、三田地区・金属材料技術研究所跡地などで進められている都市計画・都市整備事業などを通じて、安全で快適な都市生活環境の整備に取り組んでまいります。  安全で潤いのある生活環境に欠かせない公園整備につきましては、中目黒公園の開設、五本木二丁目街かど公園・向原おもだか児童遊園の拡張整備などを進めます。  そのほか、中目黒駅東口駐輪場の開設や放置防止指導員の配置及び撤去委託の拡大を図り、駅周辺の放置自転車対策の強化に取り組んでまいります。  さらに、ビオトープの整備や屋上緑化の推進を図ってまいります。  第五は、「住宅対策の推進」でございます。  環境に配慮した安全で快適なまちを実現する上で、快適な住宅と住環境の確保は欠かせない課題でございます。したがいまして、住宅に困窮する人々への支援や、個人では対応できない住環境の確保に向けた取り組みを基本としながら、居住面積の拡大など居住環境の改善やバリアフリー化、分譲マンションの維持管理や建てかえなど、社会情勢に応じた施策を展開し、区民が安心して快適に住み続けられる住宅と住環境の確保に努めていかなければなりません。  そこで、新年度におきましては、今年度中に策定する「高齢者住宅計画」に基づき、高齢者福祉住宅の建設費補助や高齢者世帯・障害者世帯などの居住支援、区営住宅へのエレベーターの設置を行います。また、住宅マスタープランに沿って、公共住宅ストック総合活用計画の策定、中堅ファミリー世帯の居住水準の向上のための家賃助成、分譲マンションの維持管理に関する支援を行うほか、住宅リフォーム資金助成を継続して実施いたします。さらに、都営目黒本町アパートの移管を受けるとともに、都市基盤整備公団の資金を利用して建てかえを行います。  第六は、「環境への負荷の少ない社会の形成」でございます  本区は基本構想の中で、環境と共生することなしに真の人間性の尊重はあり得ない、という視点から、「環境との共生」を目黒区の地域社会に実現を目指すべき基本理念の一つに位置づけ、「環境に配慮した安全で快適なまち」を基本目標に掲げるとともに、平成十二年十二月に環境基本条例を制定し、また、区の率先行動の一つとして平成十三年八月にISO一四〇〇一の認証を取得いたしました。  新年度には、環境マネジメントシステムの考え方を区民・事業者に広めていくための啓発用冊子を全戸配布し、清掃車・起震車などの低公害車導入を進めます。また、分別回収ポイントの増設などリサイクルの推進、分別や排出ルールの徹底を図ることによるごみ減量の推進、清掃協力員と連携した集積所実態調査などを行います。  さらに、区民の皆様から強い要望があるカラス対策については、新型防鳥ネットの配布や撃退方法の普及啓発などを進め充実してまいります。  そのほか、先ほど区政執行に臨む基本的姿勢として申し上げました「区民と行政の協働によるまちづくりの推進」「男女が平等に参画する社会づくりの推進」「基礎的自治体としての行財政能力の充実」に関しまして、平成十四年度予算案に反映されている主なものにつきまして申し上げます。  「区民と行政の協働によるまちづくり」の具体的な方策として、ボランティア活動、コミュニティー活動、NPO活動など、さまざまな公共的な住民活動に携わる区民の方々にも積極的に御論議いただき、その議論の成果を区へ提案いただくため、(仮称)区民フォーラムの設置に向けて準備を進めてまいります。  「男女が平等に参画する社会づくりの推進」については、男女平等・共同参画審議会の設置、男女平等・共同参画オンブーズの運営、ドメスティックバイオレンス・グループカウンセリングの実施などを行います。  「行財政能力の充実」については、新庁舎移転に合わせてのLAN、パソコンの整備などの庁内情報処理体制の整備、新庁舎への移転にかかわる新庁舎施設整備等、ペイオフ解禁に対応した公金管理・運用基準の作成などを行います。  さらに、住民基本台帳ネットワークシステムへの対応や、土日・平日夜間の住民票交付サービスなどを実施する目黒駅行政サービス窓口の開設など、区民サービスの向上を図ってまいります。  以上、平成十四年度予算案を御審議いただくに当たり、区政運営の基本方針や重点施策などについて所信を申し上げました。
     区民生活や区政を取り巻く環境は今まで以上に厳しくなるものと存じますが、分権時代の基礎的自治体として区民一人ひとりが「真の豊かさを実感できる地域社会」の実現に向け、全力を傾けてまいる決意でございますので、議員各位の一層の御指導と御協力を重ねてお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。  ありがとうございます。 ○宮沢信男議長 次に、日程第二、代表質問を行います。  ────────〇────────  ◎代表質問 ○宮沢信男議長 各会派の代表から質問の通告がありましたので、順次これを許します。  三十四番橋本欣三郎議員。    〔橋本欣三郎議員登壇〕(拍手) ○三十四番(橋本欣三郎議員) 私は自由民主党目黒区議団を代表して区長の所信表明に対し、基本的な問題を主に質問を進めてまいります。  まず、本年十月に行われる目黒区長選挙についてでございます。どのようにお考えか、お伺いいたします。  藥師寺区長の平成十四年度予算編成及び所信表明は、自信を持って今後も目黒区政の長として役目を果たす意欲が感じられます。確かに前河原区政を引き継ぎ、この三年間、懸案事項をそれぞれ解決し、諸施策の推進・充実を図られた功績はまことに大きなものがあります。さらに、昨年二月に取得を決断された新庁舎改修整備計画も明年一月の開庁に向けて鋭意進めなければならず、日常活動も休日返上でこなしていることに敬意を表します。  しかし、質問通告の中で申し述べたように、藥師寺区長は本年十月に行われる区長選挙に対し、みずからの態度の表明はされていません。これは、平成十年に行われた選挙で関係者に選挙違反者ありと司法の判断が下され、藥師寺区長に直接関係はないとしても、このことがいつも脳裏にあり、関係者の今後の生活、そして社会に与えた大きな影響について、区長自身、心を痛めているため、意思の表明がなされなかったと私は思います。  しかし、半年後に迫った区長選挙についてどのようにお考えか、まず初めにお伺いします。  次に第二点目、長期計画と本年度予算の整合性についてお伺いいたします。  このところ、本区における財政支出の特色として、都立大跡地における第一期工事の完了。近く完成を迎える第二期工事、青葉台公園の完成、旧国鉄用地の取得、碑文谷公園に隣接する旧第一勧銀のスポーツ施設。さらに三月末に開園を迎える中目黒公園、そして一昨年急遽取得した公会堂近くの駐車場及び駐輪場など、重量級の施設整備があります。これらは緑の少ない本区にあって都市生活環境の整備はもとより、文化・スポーツの振興に大きく寄与し、重点施策として充実したことはまことに喜ばしいことであります。  さて、新年度を迎え、これらの背景の中で平成十四年度予算編成が行われましたが、まず、何といっても最大の目玉は新庁舎施設整備にかかわる臨時経費の二百八億円であります。その結果、一般会計の予算規模は前年度比八・七%増の一千百八億円余になり、先ほど申し上げたように、ここ数年来続いた各整備計画の推進・完成もあり、四年連続で一千億円を超え、本年度予算は過去最大の規模になりました。  さて、区長は所信表明の中で新庁舎施設整備に対する財源として区有地の売却収入や基金繰入金などを計上すると言っています。しかし、区有地の売却収入はよいとしても基金繰入金を初めとする財政措置には不安が残ります。  また、平成十二年に改定した平成十七年を最終年度とする長期計画、すなわち実施計画の計画期間中に百六十一億円余の財源不足が生じると行財政改革大綱の中でまず初めに示しており、その財源確保を行うことが緊急の課題として認めています。  一方、新庁舎施設整備もまた新たな課題であり、これら相関関係にある財政の整合性についてお尋ねします。  次に三点目、協働についてお伺いいたします。  区長は「思いやりとわかりやすい区政」を区政の基本に据え、「区民と行政の協働によるまちづくりの推進」としてその第一に挙げています。しかし、昨年もこの場で申し述べたように、自治体は住民によって構成され、その運営が議会と行政にゆだねられているのであって、住民はパートナーというより主権者であります。その代表として私たち議員は間接民主主義の代弁者として選挙で選ばれ、地方自治に携わっていることを忘れてはなりません。  このように議会は昨年来、全員協議会を開くなど「区民と区の協働によるまちづくり基本方針」の提案について質疑を重ね、昨年七月二日の企画総務委員会で当面の推進母体となるフォーラムの開設準備を了承して終えています。しかし、その後何の動きもなく報告もないので、この際お尋ねします。  次に第四点目、新庁舎整備に関して、特に駐車場についてお聞きします。  目黒区新庁舎利用計画基本構想によると、新庁舎に要請される機能が述べられており、その第一に、区政を担う場としてだれもが気軽に来庁し、区民が利用しやすい構造とすると言っております。これは大変よいことですが、その内容について検討すると素直に受け入れることに疑問が生じます。  そこで、今回は駐車場についてのみ質問を進めます。  まず、現庁舎の駐車場スペースですが、九十台と言っています。これは現庁舎周辺に点在する駐車場の規模も含めたものと思われます。しかし、新庁舎は全部の車を新庁舎内に置かざるを得ない現況を、まず認識しなくてはなりません。その上に立って、おおむね百台から百二十台程度の駐車台数を目標にしたかもしれません。しかも、どの場所にどのように駐車位置を決めるとは、今のところ示していません。  しかし、来年一月には庁舎機能が稼働し、サービス業務が開始されるのです。また、その後都税事務所、保健所のほか、数団体に及ぶ区内外郭団体の入所が決まっています。このように、どう考えても利用計画基本構想による見通しでは不足するのは明らかであり、抜本的な解決のため発想の転換が必要と思われますが、どのようにお考えかお伺いいたします。  次に第五点目、ペイオフについて質問を続けます。  平成十四年四月一日からは定期性預金が、来年四月一日以降は当座預金・普通預金等の決済性預金も含め、すべての預金がペイオフの対象となります。当然のこととして、地方公共団体も一預金者とみなされます。これに先立ち、本区では財政課長を座長に「目黒区ペイオフ対応研究会」を立ち上げ、昨年の五月から八月にかけて四回の会議を重ねさまざまな問題を検討し、昨年十月に報告書を出したことは承知しています。  しかし、このところ金融関係、わけても銀行株の下落が続いており、不良債権の処理のおくれが最大の原因と言われています。  そこで、質問の本題に入ります。  東京都はペイオフ解禁に備え、一兆円を超える税金をどのように運用するか、「東京都公金管理に関する検討委員会」で去る一月三十日に金融機関の選定基準を発表しました。この発表の内容について、複数の新聞は「都が預けている十七行に選定基準を当てはめると三行ほどが中途解約になる」とショッキングな報道がありました。  東京都は年間総予算が十二兆円であり、約一兆二千億円を都銀など十七行に預けて運用していることも事実であります。  このような基準づくりについて、本区の研究会は各所管においてペイオフ解禁までに取り扱い金融機関との協議や、国や他の地方公共団体の動向を注視しながら区としての創意と工夫を重ねていき、本区の実情に応じたペイオフ対策を期待すると結んでいます。そこで、本区と取り引きのある全金融機関、都銀二行、地銀一行、信金八行、信組二行、その他三行、合わせて十六行についてどのような対応をしているのかお尋ねします。  次に第六点目、新税構想について質問を続けます。  地方分権一括法が平成十二年四月に施行され、それ以降、総務省の同意に基づき実施することができる法定外税について、このところ財源を求めて続々と新税構想が各自治体で検討されています。ここにきて東京都が宿泊税、すなわち、ホテル税を打ち出し、都議会も条例を可決、総務省と協議に入り、本年夏以降に実施するとしています。  これは実現可能の最右翼で、特別区内では議会に提案する前に住民の反対などで挫折した「たばこ自販機税」や「自転車税」など、実現されない新税構想がありました。しかし、ここにきて杉並区のレジ袋税など条例審査で混乱している新税もありますが、豊島区の鉄道会社に対する放置自転車税などは行政サービスの受益と負担の関係を明確にし、区が直面している行政課題の解決を誘導するために導入を目指すと高野区長は言っています。  この構想について、全国二百十一の自治体でつくる全国自転車問題自治体連絡協議会は、去る一月二十四日、「鉄道事業者の協力を促すとともに、駅周辺の安全を確保する有効な手段となることを期待する」と会長の岩波練馬区長はコメントを出しています。  本区も自転車放置問題を抱えており、鉄道事業者との対応も含めて、大きな関心を呼ぶ新税構想と言えます。このように、新税構想は何もしないでただ手をこまねいている自治体に対して大きなインパクトを与えたと思います。  本区は新税構想に対し、どのようにお考えかお伺いします。  次に第七点目、防災対策について質問を続けます。  阪神・淡路大震災から七年が経過した今日、区長は災害に強いまちづくりを目指すと言っています。ここ数年来、東海地震を想定した地震予知に関し、緻密な観測網が張られるなど地震予知は進んでいます。  また、地震に対する弱さについて、神奈川大学の助教授グループが今までにない方式の考え方を発表しました。その方式は、地震が起きる確率は考慮せず、軟弱地盤などの地域特性が被害者数を大きくする可能性を「弱さ」として評価する新しい方式であります。  この方法による最も弱い東京を百とすると、さきの大地震があった兵庫県は三五、最も強い高知県はマイナス一三・六を示しています。そして、このデータの解説で「うちの県は大丈夫」という雰囲気が広がる中で、地震発生の確率をあえて無視し、潜在的な地震に対する弱さを示したので、今後、各自治体では防災対策を進める際に一つの指標としてもらいたいと結んでいます。  時あたかも、目黒区消防団運営委員会にかねてから都知事から諮問があった「大震災発生時における消防団活動をより効果的にする方策はいかにあるべきか」に対する最終審議が行われ、答申案がまとまり、この三月末に都に答申する予定であります。答申の骨子は「災害に強いまちづくり」を目指して五つの方針を設け、それぞれに必要な要件を二十項目に取りまとめ、さらにこの要件ごとに六十の効果的な方策を付して答申するとしています。  「災害は忘れたころにやってくる」と言われます。備えあれば憂いなし。この答申の中身を生かして、消防団による災害活動体制の充実・強化はもちろんのこと、さらに災害に強いまちづくりを目指して努力すべきと思いますが、区長はどのようにお考えかお聞きして、次の質問に入ります。  次に第八点目、庁舎移転に伴う跡地処分について再考できないかお尋ねします。  国土交通省は民間主導の都市再生を促すため、建物の高さなどを制限している建築規制を平成十五年にも緩和する方針を固め、今通常国会に改正案として提案すると言っています。この改正案によると、容積率規制などを大幅に変えるのは十年ぶり。さらに既存の規制を一たん外して、民間の意向を踏まえて容積率などを再設定する「都市再生特別地区」の創設を盛り込んだ都市再生特別法案と合わせて、小泉政権の重要な課題である都市再生策の柱にするとしています。  ここで私が言いたいのは、後段の「都市再生特別地区」の創設であります。この法案の特色は容積率など地区内の規制をゼロベースで見直し、地権者の三分の二以上の同意を条件に民間事業者が都市計画を提案すれば、自治体は六カ月以内に計画を決定しなければならないという、今までではとても考えられない画期的な法案であるからであります。ちなみに、これまでは自治体がすべての地権者から同意を取りつけることを求めることが多く、森ビルが港区で手がけている六本木ヒルズの事業は、着工まで十四年かかったと言われています。  また、今までの建築基準法や都市計画法では、例えばマンションなどを建設する中高層住居専用地域の場合、容積率は三〇〇%までしか設定できなかったものが、容積率の上限拡大・建ぺい率の選択肢の拡大、そして日影規制の緩和があり、改正案では四〇〇%や五〇〇%を自治体が選べるだけでなく、日影規制も緩め、高層マンションの建設が可能になることです。  そこで、質問の本題に入ります。  本庁舎及び公会堂用地の売り払い時期は来年一月から三月とあります。私が申し上げた改正法案は既に成立しているでしょう。区民の貴重な財産を処分するからにはあらゆる有利な方法を考えるのは当然で、早期売却は崩さなくても新制度を利・活用する指導や、区も売却先に協力することを条件にすれば、よい結果を生むと思います。  なお、区側が心配するであろう近隣住民の考えも、不況からデフレが進む今日、日影より資産の目減りからいかに自己の資産価値を守るかに関心が高まっており、住環境の整った市街地の形成が望まれることを申し添えて、最後の質問に入ります。  最後の質問は、教育委員会関係についてであります。  第二次世界大戦から半世紀がたち、我が国はもとより、国際社会の影響や急激に進む社会情勢の変化で、国も地方も教育のあり方について改革・改善に取り組む必要に迫られています。特にここ数年、新しい発想で教育を考える自治体がふえています。このように社会状況が大きく変化する中で、平成十四年度は小中学校とも完全週五日制になります。また、新しい学習指導要領が本格的に実施される年度でもあります。  このような変革の年に当たり、本区の教育委員会はどのようにお考えか、まずお伺いします。  次に、こうした大きな変革を踏まえ、本区の目指すべき学校の基本的な方向についてお伺いします。  さらに、週五日制及び新学習指導要領の完全実施を目前に控え、特に学力の低下や土日で家庭・地域の対応など、大きな不安材料を抱えています。特に指導時間や指導内容が減るため、将来を目指す子供たちはまだしも、父母は今でも学力の低下を心配しているのに、さらに、との思いが強いのは事実であります。  そこで、教育委員会としてどのように対応するのか、具体的にお示し願いたいと思います。  次に、大きな質問の二番目、中学校の統廃合についてであります。  平成十三年十二月二十八日、区立中学校適正規模等検討委員会から答申がありました。この問題について、今後どのように対応するのか。また、二十六号線関連の第六中学校の件も含めてお伺いいたします。  次に、答申をどのように受けとめ、どのように進めるのか、基本的な姿勢についてお伺いします。  次に、適正規模の確保、適正配置についてどのような手順で進めていくのかお伺いします。とりわけ、補助二十六号線の整備関係で校舎改築の対応が迫られている第六中学校は適正配置との関係は深いと思いますが、どのように考えているのか、またその日程はどうなっているのかお伺いします。  最後に学校選択制について、かなり具体的に答申がなされていますが、実施についてどのようにお考えかお尋ねして、私の代表質問を終わります。(拍手)    〔藥師寺克一区長登壇〕 ○藥師寺克一区長 橋本議員の九点にわたる御質問に順次お答えを申し上げます。  なお、第九点目につきましては、教育委員会所管事項でありますので、教育長からお答えをいたします。  まず第一点目、本年十月の区長選挙に向けての私の考えについてでございますが、私は区長という重責を担って以来、区民並びに区議会各位の御支援・御協力をいただきながら、「真の豊かさを実感できる地域社会」をこの目黒区に実現するために、全力を傾注して区政運営の推進に努めてまいりました。  この間、私は「思いやりとわかりやすい区政」を基本に据え、地域保健福祉と健康づくりの充実、心豊かな子供の育成と生涯学習、文化・スポーツの振興、商工業の振興と消費生活環境の向上、住宅対策の推進、環境と調和した循環型社会の形成、安全で快適な都市環境の整備など、公約に掲げた事項を区の重点施策として、誠心誠意取り組んできたところでございます。  また、拡大した権限と責任にふさわしい個性豊かな自治体行政の展開を目指し、二十四年ぶりに長期計画を全面的に改定し、新たな世紀に向けての取り組みを、総合的かつ体系的に明らかにしてまいりました。  一方、現下の景気の動向から区民生活や区政を取り巻く環境は今まで以上に厳しくなるものと存じます。  このような状況の中で、絶えず行財政改革に取り組み、財政構造の健全化と安定的な財政基盤の確立を図るとともに、常に区民の評価を意識した自治体経営や簡素で効率的な執行体制の確立を図らなければなりません。  また、地域課題の解決や自治意識と連帯感に支えられた住みよいまちづくりを進めていくために、「区民と行政の協働によるまちづくり」をより具体化し、推進してまいる必要がございます。さらに社会環境が目まぐるしく変化している中にあって、福祉や環境、防災対策など、さまざまな分野において課題が山積いたしております。  これらの課題の解決は容易ならざるものがございますが、果敢に取り組むことが私に課せられた使命であることを十分に認識し、区民並びに区議会各位の御支援のもとに新たな決意を持って、引き続きその重責を担ってまいりたいと考えておりますので、皆様の御理解と御協力をお願いいたしたいと存じます。  次に第二点目、長期計画、行財政改革大綱、新庁舎整備計画における財政の整合性についてでございますが、平成十二年四月の特別区制度改革や地方分権改革により、目黒区が基礎的自治体として拡大する権限と責任にふさわしい、個性豊かな区政の展開を図る必要から、長期計画の全面改定を行いました。  この中で、基本計画に掲げた施策を具体化するため、平成十三年度から五カ年間の実施計画を作成すると同時に、これを財政的に裏づけるため、行財政改革により五カ年間で百六十七億円の財源確保を図ることを盛り込んだ財政計画を作成したものでございます。  また、長期計画の改定を踏まえ、限られた行財政資源の有効活用を図り、地域の実情に沿った、より質の高い行政サービスを提供していくため、本年度、行財政改革大綱の改定作業を行うこととし、その中で財政計画における財源確保目標額を具体的に達成していくため、見直し項目の年次別推進計画として整理を行っているものでございます。  なお、財政計画には新庁舎施設整備関連の経費は、当時整備費や整備手法が未確定であったため、反映しておりません。これらの経費につきましては、現行財政計画に影響を及ぼさないで別途整理することとし、既にお示ししたように五カ年間で総額二百四十六億円の経費に対し、区有地の売却収入や基金の活用などで賄うことといたしたものでございます。  これらのことから、長期計画、行財政改革大綱、新庁舎整備計画においては、財政上の整合性は確保されているものでございます。  次に第三点目の「区民と行政の協働によるまちづくりの推進」の今後の考え方についてでございますが、御指摘のとおり、平成十二年十月に所管委員会におきまして、区民と区の協働によるまちづくりの推進に向けて、区民フォーラム(仮称)の設置を区民に呼びかけることを提案し、昨年七月に御了承いただいたところでございます。その後、区では助役及び部長で構成する協働推進会議を設置し、この区民フォーラム(仮称)について、区民への呼びかけ方や考え方などにつきまして、意思統一を図ってまいりました。  現在、呼びかけ方法等がまとまりつつあるところでございますので、平成十二年に所管委員会に示しました考え方に基づき、今年度中には「広報めぐろ」などにより、区民フォーラム(仮称)の準備会への参加について区民へ呼びかけ、来年度には準備会が発足できるよう進めてまいりたいと考えております。具体的な呼びかけ方などにつきましては、早急に所管委員会に報告させていただきたいと考えております。  次に第四点目、新庁舎整備に関する駐車場についてでございますが、平成十三年に策定した「目黒区自動車公害対策基本方針」では、自動車を発生源とする大気汚染を防止するとともに、ガソリン使用量の削減を目的に、庁用車の台数を削減することとしております。また、平成十三年度にまとめました施設付帯駐車場の有料化の方針においても、自動車使用の抑制を一つの基本的な考え方と位置づけ、施設に付帯する駐車場の有料化について、検討を行うこととしております。  新庁舎への交通手段としては、交通量調査の結果などから、現庁舎に比べて鉄道やバスの利用がふえ、自動車の利用は減るという結果になっておりますが、それでもなお、おおむね百台の駐車需要があるとの予測を行っております。この駐車台数の確保につきましては、駒沢通りにおける信号機の設置など自動車交通の処理や、駐車場の有料化あるいは新庁舎敷地内の自動車の動線や歩行者の動線などの課題も含め、現在、具体的な検討を進めているところでございます。また、この検討に当たりましては、敷地内における駐車台数の確保を基本としながらも、新庁舎周辺における駐車場の確保も視野に入れているところでございます。  いずれにいたしましても、必要な駐車台数は確保してまいりますが、あわせて庁用車の削減とともに、区民の皆様にも駐車場の有料化の一つの目的であります自動車使用の抑制に御協力いただきながら、環境共生型の庁舎を目指してまいりたいと考えております。  次に第五点目、ペイオフ解禁による本区の財政運営への影響や、公金取り扱いと本区の取り引きのある中小金融機関に対する考え方についてでございますが、まず本区におきます十三年度の公金管理の現状を申し上げますと、歳計現金などは主に指定金融機関の通知預金と大口定期預金で保管・運用し、一日平均の預金残高は五十一億円余となっております。また積立基金につきましては、指定金融機関のほか、十四行に百二十三億円余、一法人当たり八億二千万円余を、その他各種融資制度にかかわる預託金につきましては、二十七行に約二十七億円余、一法人当たり約一億円余を預託しております。  こうした中で、区が預金している金融機関が破綻し、ペイオフが発動された場合、区の公金預金も一般預金と同様、一千万円とその利息分を超える預金についてはカットされる可能性があり、カットの規模によっては財政運営に重大な支障を来すおそれがあります。そこで、本年四月以降の金融機関の破綻という最悪の事態に備え、具体的かつ現実的な対応策を講じていかなければならないと考え、関係所管による検討を行い、昨年十月には「目黒区ペイオフ対応研究会報告」としてまとめたところでございます。  現在、その報告書を受け、具体的な対応策を検討しておるところでございますが、公金管理の透明性、区民への説明責任の視点から、公金管理の方針・基準を策定し、それに基づき安全性の高い金融機関や、安全、効率的な金融商品を選択することが基本となります。そのほか公金預金の保全方策等、例えば預金債権と借入金債務との相殺や、借り入れ先・預金先の分散化なども検討し、区民の貴重な税金であります公金の保全に万全を期してまいりたいと存じます。  こうした状況を踏まえて、本区と取り引きのある、例えば制度融資にかかわる中小金融機関に対する考え方も、基本的には公金管理の方針・基準に基づき、公金の安全を守ることを最優先とすべきものと考えておりますが、具体的にはペイオフ解禁への対応と、地域経済の活性化や振興という両面から慎重に対応してまいりたいと存じます。  次に、第六点目の新税への取り組みについてでございますが、地方分権改革における「課税自主権の尊重による地方税の充実確保」の観点から、去る平成十二年四月一日の地方分権一括法による地方税法の改正により、法定外目的税が創設され、また法定外普通税の国の許可制度が廃止されました。これに伴い、地方自治体において新税導入の動きが相次いでおります。二十三区におきましても、杉並区のレジ袋税が継続審議中で、また豊島区が放置自転車対策税やワンルームマンション税構想を打ち出している一方で、荒川区の自転車税は区民や区議会の反対で撤回している状況であります。  ところで、目黒区につきましては、基本計画の中で「財源確保のため、区独自の新たな税源の創設なども視野に入れた収入の確保向上策を検討する」としておりまして、財源対策としての新税導入への取り組みの必要性を十分認識しております。また、地域特性を生かした主体的・個性的自治体経営を進める上で、行政サービスの受益と負担を明確にして行政課題を解決に誘導するための手段として、法定外目的税の有効性を評価しております。  しかし、これらの新たな税の創設は、課税の公平性の問題や徴税経費に対する費用対効果など、多くの課題を伴っておりますので、これから他の自治体の例なども見ながら調査・研究を重ねた上で、区民の方々や区議会の合意を得られる形での導入を検討したいと考えております。  また、地方分権の流れの中で、いまだ地方への税財源の移譲が不十分であることも問題であるため、こちらの問題についても引き続き国へ要望していきたいと考えております。
     次に第七点目、防災対策についてでございますが、いつ発生してもおかしくないと言われている南関東直下型地震や東海地震に対し、災害に強いまちづくりを図るため、木造住宅密集地域整備事業など、不燃化促進事業を推進するとともに、消防水利の確保・防災備蓄倉庫の増設や防災訓練の充実など、区の防災体制の充実に取り組んでいるところでございます。さらに、防災の基本であります自分の身は自分で守る、自分たちのまちは自分たちで守ることを実践していくために、発災対応型防災訓練の実施や地域に根差して活動している防災区民組織に活動支援を行い、地域の防災力の向上を図っているところでございます。  また、消防団につきましては、平成十二年八月、目黒区消防団運営委員会に東京都知事から「大震災発生時における消防団活動をより効果的にする方策はいかにあるべきか」が諮問されました。災害発生の初期に、そして即時に対応できるのは地域に密着した消防団であることを踏まえ、委員会では「消防団災害活動体制の充実強化」を初め、五つの方針を設け、六十の効果的な具体策を付した答申をまとめ、三月末に都知事あて答申することといたしました。  区といたしましても、この答申と同様に消防団の地域に密着した活動体制を強化することは、地域の防災力の向上を図る上で不可欠であると考えております。したがって、消防団活動の充実のため、区や区民の方々との連携強化を図る方策を進めるとともに、訓練場所の確保などの活動支援や、可能な限りの財政支援を行ってまいりたいと考えております。  また本年秋には、東京都が五年に一度測定作業を行っております地域危険度の公表が予定されております。御質問の中にございました神奈川大学助教授グループの地震に対する弱さの都道府県別指標につきましては、消防庁が作成する指針の参考にしたいとしております。このように公表されましたさまざまな地域の危険度情報を積極的に区民の方々に提供していくことで、地域の実情に合った防災対策を図ることができると考えております。  今後も災害に強いまちづくりを目指し、地域の実情に即したハード・ソフト両面からの事業を展開し、防災対策の充実を図ってまいります。  次に第八点目、庁舎移転に伴う跡地処分のうち、公会堂及び現庁舎について、都市計画を変更しての売却の可能性についてでございますが、容積率の変更に関する都市計画決定は用途地域の変更とともに東京都の権限とされており、このような都市計画変更には、東京都市計画区域全体で行われる一斉見直しと、市街地再開発事業や地区計画などの都市計画決定に伴って随時行われる見直しがございます。  まず、用途地域などの一斉見直しにつきましては、現在のところ東京都から具体的な見直しの時期や見直しの方針が示されていない状況でございます。  また、地区計画などの都市計画決定に伴って随時行われる用途地域の見直しにつきましては、地区計画などの都市計画決定と同時に行うことになりますので、容積率の引き上げや地区計画の具体的な内容などについて、地域の将来像を踏まえた十分な住民の合意形成が必要であると考えております。  さらに公会堂及び現庁舎につきましては、現在、第二種住居地域に指定されており、容積率は三〇〇%の地域として比較的高い容積率に指定されております。このため、これ以上に容積率を引き上げることは、これまでの用途地域などの指定の方針から考えると、必ずしも地域の将来像として妥当であると言い切ることはできない状況があり、将来の都市計画の変更につきまして現段階でその方向づけを行うことは困難であると認識しております。  また一方、新庁舎にかかわる財源確保のための用地売却につきましては、財政計画に基づき限られた期間内で確実に歳入の確保を図る必要があると考えているところでございます。  このような状況から、平成十四年度に予定しております公会堂及び現庁舎の売却に当たりましては、都市計画を変更した上での売却、あるいは都市計画変更を前提とした売却を行っていくことは、困難であると考えているものでございます。公会堂及び現庁舎の売却につきましては、今後のまちづくりにも資するよう配慮するという視点も踏まえて、基本的契約方式として公募提案方式とすることとし、現在、その具体的な内容を検討中でございます。  いずれにいたしましても、貴重な財産を売却することになりますので、幅広い応募を可能として競争性を高めるなど、できるだけ高額で売却するという視点からの検討もあわせて行ってまいりたいと考えております。  また、具体的な内容を検討する際には、現在、国において構造改革の一環として、都市再生を強力に推進するための都市計画に係る特例措置の創設を含む都市再生特別措置法案の検討も、議員おっしゃいますように進められておりますので、この法案の内容などにつきましても必要な情報収集を行い、その活用の可能性も研究してまいりたいと考えております。  以上、私からの答えとさせていただきます。    〔大塩晃雄教育長登壇〕 ○大塩晃雄教育長 橋本議員の第九点目につきましては、私からお答えさせていただきます。  まず第一問、目黒区の目指す学校の基本的方向についてお答えいたします。  本年四月から実施される完全学校週五日制のもと、新しい学習指導要領が完全実施されます。新しい学習指導要領は豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成し、みずから学びみずから考える力を育成するとともに、基礎・基本の確実な定着を図り、一人ひとりの個性を生かす教育の充実を大きなねらいとしています。  こうした新しい教育のスタートに当たり、教育委員会では子供たちにとって魅力のある学校づくり、そして、保護者、地域から信頼される学校づくりを目標として掲げ、具体的施策を進める必要があると考えております。  子供にとって魅力ある学校を実現するためには、まず基礎・基本の定着や、みずから考える力の育成を柱とする、確かな学力の向上を目指した教育方法の改善が必要であります。確かな学力を児童・生徒に身につけるためには、個の学習の状況に応じたきめ細やかな指導を行う必要があります。  そこで、東京都教育委員会の配置した教員に加えて、目黒区独自の施策として少人数授業や習熟度に応じた授業、選択教科の拡充を図るために来年度より教員免許を持った学習指導員を配置し、子供たちの学びを支援してまいります。同様に、既に区独自で配置してきた情報教育指導員の勤務時間の延長や小学校における外国人指導員の増員を行い、今日的な課題や教科を横断した学習の推進を行ってまいります。  また、目黒区独自の教育開発校制度を活用し、各学校の子供の実態に応じた特色ある教育活動を推進する中、学ぶ喜びと確かな学力の定着を目指した授業の開発を進めてまいります。中学校においては、部活動も大きな魅力と言えることから、外部指導員の拡充を進めていきたいと考えています。  こうした学校の取り組みや努力が保護者、地域に理解されるためには、教育内容や方法を一層公開し、責任説明や結果説明を確実に行っていく必要があります。新年度からはすべての学校に学校評議員制度が導入され、学校経営への地域住民参加が一層推進されます。このことにより、各学校の教育課程の達成状況を評価する仕組みづくりが促進されるものと考えております。  教育委員会といたしましては、今後、各学校において学習指導員の効果的な活用方法の検証を行うとともに、児童・生徒一人ひとりの学習状況を的確に評価する方法や、個に応じた授業形態や指導法の研究をさらに推進していきたいと考えております。  なお、学校のない土・日曜日においても、児童・生徒が地域社会の一員であるという意識のもと、学校で学んだことを生かし活動できるよう、「子どもサポートプラン」を整備・充実し、よりよく余暇を過ごせる態度や能力の育成を一層支援してまいりたいと考えております。  次に第二問、中学校の統廃合についてでございますが、適正規模等の問題については、従来から教育委員会として重要な課題として受けとめ検討する中で、今回の答申をいただいたところでございます。  答申は平成八年の「地域における区立学校のあり方答申」で示された一定の方向性を踏まえ、適正規模、適正配置、学校選択制、魅力ある学校づくりの基本的考え方と、その具体的な方策がまとめられたものでございます。さらに検討に当たっては、学識経験者、関係団体、公募の区民、学校長の皆さんが幅広く熱心に御議論いただき、加えてその検討過程においては中間報告を公表し、区民の皆様方からも意見をいただき、それらを踏まえて答申されたものであり、教育委員会としては重く受けとめるものでございます。  また、この答申を受け、教育委員会としては基本的に適正規模、適正配置等の各課題を個々のものとしてとらえるのではなく、第一問で申し上げました学校教育の目指すべき基本的方向を踏まえ、子供、保護者、地域にとって魅力ある学校、信頼される学校の実現という視点から中長期のスパンの総合的な教育プランを取りまとめ、教育内容・方法の改善、教育環境の整備、地域との連携強化などとともに、一体的に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、適正規模の確保等の進め方でございますが、この課題は子供や保護者、地域等にも影響が及ぶものでございますので、まず年度内には答申の内容を十分周知し、理解を求めるとともに、意見をいただいてまいりたいと存じます。そして、それらの意見等も踏まえ、まず実現に至る手順をお示しし、その上でさきに申し上げました総合的な教育プランの一環として適正配置等の全体的な方針を案としてまとめ、これを公表し議会や区民の意見を伺い、区の方針として決定していく予定でございます。  そして、個別の学校の統合の具体化に当たっては、区議会の御意見をいただくとともに、学校、保護者、地域の関係者等による協議会的なものを設置し、具体的な実施策をまとめ、それに基づき円滑に統合が実現できるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、補助二十六号線の整備に伴う第六中学校の学校機能の保全と適正配置との関係でございますが、これまでは適正配置の課題は学校における活力の確保、教育活動の面から検討されるべきものであり、補助二十六号線の整備に伴う学校機能の保全とは別の問題としてとらえて検討してまいりました。  しかし、このたび答申の中で第六中学校が早急に対応する学校として取り上げられておりますので、今後は適正配置と補助二十六号線整備に伴う第六中学校の教育機能の保全については、関連づけて検討してまいりたいと存じます。その日程につきましては、補助二十六号線は東京都の第二次事業化計画路線であり、平成十五年度までに着手すべきものでありますので、その辺を踏まえながらも慎重に適正配置等の方針案の中で詰めてまいりたいと存じます。  次に、学校選択制の実施についてでございますが、答申の中では指定する範囲の隣接する中学校に一クラス分程度の人数に限って、希望により進学できる「隣接中学校希望入学制度」の早期導入が提言されているものでございますので、適正配置等に先立ち、できる限り早く実施できるよう準備を進めてまいりたいと存じます。  いずれにいたしましても、適正配置、学校選択制等は多くの関係者に影響が及ぶものでありますので、慎重に手順を重ね、総合的な教育プランを示す中で、議会や区民の皆様の御理解をいただきながら実現してまいりたいと存じます。  以上、私からの答弁とさせていただきます。    〔「議長、三十四番」と呼ぶ者あり〕 ○宮沢信男議長 三十四番橋本欣三郎議員。 ○三十四番(橋本欣三郎議員) 教育長の答弁はわかりました。  ただここで、私は幼稚園の統廃合、答申が出てから大変長時間結論が出ない。このことを見ても昨年の暮れ、大変に中身の濃い分析された答申をいただいた以上は、今の答弁をきちんと守ってこれからも推進していただきたい。  区長さんに今度一つお尋ねしたい。  八点目に私が言っているのは、初めに跡地をどうやって処分するかということに対して、一月から三月に処分することについてはいいんです。ただ、こんなにすごい法案が今国会にかかるということを認識していたのかと、そこが問題なんです。初めの答弁を聞いていると、今までの東京都はこういうことで、スポットはこうだと。こういうことばかり言っていたんではだめなんです。そうでしょう、特例法ができてくると、すべてを全部撤廃して、新たに住民の三分の二以上の同意があればそこにそのようなことができるという時代が来ているということに対して、最後にはちょっとこのことについては可能性について勉強すると言っていますけれども、やはりこのようなことをしっかり私は覚えておいてくれなければ困ると。  以上、時間もございませんから、それだけちょっと答弁してください。 ○藥師寺克一区長 再度のお尋ねでございますが、最近、この二月の初めに都市再生に係る特別措置法案が議論されて、これから国会の中でどのような展開をとるか、私はわかりませんけれども、確かに今、議論されようとしているものは、東京都を中心とした都市における再生上必要であるということは認識しておりますが、これが直ちに私どもがそれを適用できるというような状況には、まだ少し時間がかかるのではないかと。間に合えば私どもも、それを当然活用していかなければならないと思いますが、もう具体的な内容を検討して、これから示そうとしているわけでございますので、その辺も十分踏まえながら間に合うものであれば、当然そのようにしていかなければなりません。  しかし、それには地域住民の皆さん方の意見も聞いていかなければなりませんので、議員がおっしゃいますように、私も同じようにやはり有効活用を進めながらより高い値段で処分して、財源に充てるということにつきましては、これからも努力してまいりたいというふうに考えております。 ○三十四番(橋本欣三郎議員) くどいと思うかもしれません。私が言っているのは、行政主導型で土地の再開発する時代は終わりましたよと。民間主導でこういうものは提案してくると、そういうものができる時代になりましたよと。  ですから、区長さんの言うのはわかりますよ。今までの例で言えばそういうことだけど、そこのところだけもう一回、よく所管の人たちも勉強して、時は変わったと。今までと時代は変わってきたと、このことに対していいまちづくりのことも含めて──民間がやれば六カ月以内にこの法律に基づくと、許可をするかしないかというのは、判断を下さなければならない。このような時代が来ているということですから、再確認でもう一回御答弁いただいて終わります。 ○藥師寺克一区長 まさに新しい時代で民間主導型のそういう開発を行えるということは、大変好ましいことであると思いますので、私どもも行政主導型よりも、やはりこういった制度が創設されて、そして新しいまちづくりが動き始めるということは、大いに期待すべき制度であろうというように思っておりますので、そういう点を踏まえながら、十分情報収集を進めながら進めてまいりたいというように考えております。 ○宮沢信男議長 橋本欣三郎議員の代表質問を終わります。  ここで暫時休憩いたします。    〇午後二時五十分休憩    〇午後三時五分開義 ○宮沢信男議長 それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、二十二番木村洋子議員。    〔木村洋子議員登壇〕(拍手) ○二十二番(木村洋子議員) 私は目黒区民会議を代表して、区長の所信表明について質問いたします。  今年度は区政施行七十周年に当たる年度です。この節目の年に新しい庁舎への移転を平成十五年一月にと決定し、移転に伴い区施設利用の変更も生じ、現庁舎、関連用地の売却など課題も影響も大きいものの、移転準備の最終段階を迎えられることは大きな前進と思うところであります。  しかしながら、完全失業率五・六%(約三百三十七万人)、有効求人倍率〇・六一倍と厳しい雇用、経済情勢の現況が続いています。こうした経済状況を脱却するために、今年度からスタートする「緊急地域雇用創出特別交付金事業」を有効に活用し、区内の失業者を優先的に採用することができるよう、区民の雇用促進を図るため、公園などの樹木補植・刈り込み作業など、区独自での雇用対策事業を実施されるとのことですが、続く消費の低下、生活の不安が解消へとつながるような効果ある実施策の推進をしていただきたいと考えます。  次に、地方分権改革が実現して約二年が経過し、それぞれへの取り組みを進めてまいってきたところです。介護保険導入に伴い、医療保険への影響が見られます。健康保険料率は健保法等で上限率が規定されています。介護保険法制定時、旧厚生省は社会的入院等に係る医療費は健康保険から介護保険に移ること。医療制度の抜本改革によって医療費が抑制され保険料率の低下が見込まれることなどから、介護保険料が加わっても法定上限率内におさまるとしていたところです。  ところが、社会的入院等の是正による医療費の減少が当初見込みより低いこと。医療費は増加し続けているのに改革の見通しが立っていない。増加の最大の要因には人口構成の高齢化にあると思われます。また、医療技術の高度化により、終末期医療のあり方が大きく変わってきています。  現在は家族形態の変化、住宅環境によってか、病院でそのときを迎える方が多くなってきています。終末期の医療にはICU(集中治療室)や病室で人工呼吸器、点滴など、何本ものチューブが体につけられ、スパゲッティ症候群と表現されているそうですが、このことも増加の要因の一つであるのです。  家族の思いや患者本人の考え方、宗教的な面などを考慮しつつ、慎重な検討が必要ですが、この終末期医療(ターミナルケア)のあり方も含め、介護保険の見直し、基盤整備への取り組みをお願いしたいと考えておりますがいかがでしょうか。  次に、男女が平等に参画する社会づくりの推進についてです。  東京都は男女平等参画のための東京都行動計画「チャンス&サポート東京プラン2002」を平成十四年一月に策定し、東京都生活文化局のホームページでも見ることができるそうです。男女が平等に参画する社会を実現するためには、職場、家庭、地域社会等のあらゆる分野において対等な立場で参画し、個性を発揮できる社会的環境が必要です。  女性が多様な生き方を選択できるためには、子育てと仕事や社会活動、介護など両立できるような環境を整備することです。子育てに悩む親がふえていること。人権が尊重され伸びやかに生活できるべきであるのに、女性に対する暴力やストーカーや家庭内での暴力、ドメスティック・バイオレンス(DV)があるのも現状でございます。  男性と女性がともに助け合い守っていく生活の中で、子育てと介護の占める割合は非常に大きいと考えます。特に働く子育て家庭にとっては、保育をかわってもらわざるを得ない時間に、安心して預けて仕事に行くことのできる環境はとても重要なことです。  日本は世界一の非婚率であるとの指摘もあるほど、結婚と就業が両立しにくい環境が挙げられます。そのため、職業を持つ女性は結婚を選ばなくなり、出生率の低下につながります。低下を防ぐには保育園や保育の関連施設等のあり方やそのレベル、内容についてはとても大切な部分です。  原町保育園に子育てサークル的なスペースを設け、また区立保育園の定数を四十六名ふやし、「目黒区男女が平等に共同参画する社会づくり条例(案)」の提案などについては、長年の念願でありましたことから、評価させていただきたいと思います。  しかし、厚生労働省は来年度から「子供の幸せを第一に考えた総合的な母子家庭の自立支援策」を行うと発表、その中で子育て支援や就労支援、養育費確保などをするかわりに、支給期間を五年間に短縮すると同時に支給基準を厳しくし、非課税世帯からも減額措置を行うとしています。十八歳まで支給されていた手当を支給開始後五年間に短縮するなどと、余りにも現実を無視していると思います。このような現実無視の支援策には、到底同意することなどできないわけであります。  子育て環境をさらに整備し、レベルアップしていく必要を感じます。  今後、ますますニーズの高まる駅前保育園の設置。介護やその他の理由により、一時的に保育を必要とする方々への利用しやすい保育の条件整備。保育に従事する方々や関連機関が身近に情報を交換することのできる環境があることによって、子育ての不安が減少し、児童虐待防止、早期発見にも役立つことと考えます。  また、DV法の成立を機に、社会的にも保護されやすく、公的機関も関与しやすくなった面などもあると思います。提案される条例(案)がこれからも生きたものになりますよう、チェック機能の充実等も含めましての実現に向けてのお考えをお示しください。  次に、国民健康保険証を世帯に一枚ではなく、被保険者一人に一枚のカード様式で発行することといたしますとのことですが、これはどういった方法の発行になるのでしょうか。被保険者一人に一枚ということは、家族の中でも仕事や学校の関係等の理由により、単身にて生活をせざるを得ないような場合など、利便性を図る上では必要なことと思います。どのような方法になるのかお教えいただきたいと思います。  また、大きな病院などは電子カルテ等医療のIT化も進められ、管理業務・事務事業等の簡素化を図るため、ICカード化に移行していくと思われます。本区は個人情報の管理については、万全を期しているとのことですが、先ごろ政府は個人データの利用範囲を拡大する考えを示したとのことであり、住基ネットは区長の答弁にもありましたように、住所、氏名、性別、生年月日、住民票コード、変更の六情報をコンピューターで一元管理するものであり、情報の利用範囲は十省庁・九十三件の事務に限定されています。  政府はこれまで国会審議の中で、「住民票コードの利用は法律で限定されている」として、国民総背番号制との違いを強調してきました。にもかかわらず、気がつくと利用範囲が広がっている。十一省庁・百五十三件の申請・届け出を加えるとし、なし崩し的に範囲を広げていってしまわれたとき、区民のプライバシーがどこまで安全に保護されるのか、大きな大きな不安がわいてくるのです。区民のプライバシーが侵害されるおそれがますます高まってくることは明らかです。  個人情報の管理については万全を期しているとのことですが、情報の漏えいの場合の対策には完璧はないと考えます。本区の個人情報保護条例(電子計算組織結合の禁止)第十七条に、「実施機関は個人情報を処理するため、区の電子計算組織と国、他の地方公共団体等の電子計算組織とを通信回線、その他の方法により結合してはならない。ただし、審議会の意見を聞いて実施機関が特に必要があると認める場合は、この限りでない」とあります。  私は、以前の一般質問でも区民の個人情報保護の対策を求めてまいりました。区長は情報管理の長としての立場から、区民の基本的人権が侵害されるおそれについて明白かつ差し迫った危険があるとなど、急を要する事態が生じた場合、この条例のままでは緊急的な対応が難しいと考えます。個人情報保護審議会の経過も伺っていますが、例えば、外部結合事務の区条例別表への列挙など、回線切断を行えるようにすることで、かなりの抑制力が働くことになるのではと考えます。住民基本台帳法の趣旨にも合致し、自治体権限、区長権限も高めることになるのではと考えます。  区条例の外部回線結合禁止の精神を生かし、区民のプライバシー保護の具体的対策をぜひともお願いしたいと思いますが、いかがですか。  次に、地域防災について。  昭和四十年国勢調査時の二十九万八千七百七十四人の本区の居住人口をピークに、平成六年を底に、平成七年から社会増加を背景にして緩やかに上昇してまいりました。  しかし、一世帯当たり構成人員や出生数は昭和四十年代から一貫して減少している。平成十年度に実施された住宅・土地統計調査によれば、本区の住宅総数は十二万六千七百三十戸で平成五年時点の十二万八千二百六十戸から減少しています。建て方、所有関係、構造別の推移で見ると、戸建て住宅は二万五千八百戸と全体の二二・五%を占める増加傾向にあり、敷地面積百平米未満の住宅や防火木造住宅の増加が見られ、敷地の細分化の進行や木造三階建ての住宅の増加が推測されます。  昭和六十一年からの住宅供給の動向から、利用関係別新設住宅着工数の推移では、バブル期に七割を占めた賃貸住宅の供給が四割にまで低下し、かわって分譲住宅の供給が増加しているなど、まちづくりの動向を見る中でも住宅床面積に占める非木造住宅の割合が五割を超える都市型住宅集積地域が増加しています。不燃化が進行しているなど、居住家屋の存在・形態等に変化が生じています。また、その変化のサイクルも狭まっていると言えると思います。  このような現状の中にあり、前ぶれもなく襲われる災害に対していかに防ぐか。被害・被災を最小限にとどめるためには、日ごろからの情報の把握とその情報を災害時にいかに速く伝達し、救護等に生かしていくかが大変に重要なことと考えます。短いサイクルで変化していくまち、居住形態の中で、地域のコミュニティを進め、御近所が声をかけ合い朝夕のあいさつの声が聞かれるようなまちづくりが、どこにどなたが住んでおられるか、またおひとり暮らしなのかなど、必要な情報が把握できることと思うのですが、このようなまちづくりが変化の著しい都会型社会で難しい面もございます。  しかしながら、地域の方々等からの協力をいただきながら、今後とも災害に強いまちづくりを進めるとともに、危険箇所の把握に努めていただきたい。また、車いす利用者を初めとした交通弱者の避難に、さらには高齢化も進む現代、地域の中での高齢者の存在の把握と救護等の目的のための情報の伝達方法等を計画の中に織り込んで、役立つ防災のあり方を進めるべきと考えますが、いかがですか。  次に、高齢者の住宅供給のあり方について。  区長は所信表明の中で今年度中に策定する「高齢者住宅計画」に基づき、高齢者福祉住宅の建設費補助や高齢者世帯、障害者世帯等の居住支援を行うとの表明がなされております。平成七年の国勢調査によれば、全国の高齢人口比率は一四・五%となり、上昇傾向を続けており、本区の高齢化率は昭和六十年の一〇・五%から平成十二年の一六・二%に上昇しています。  本区の住宅マスタープランも平成四年三月に目黒区住宅基本条例を制定した後、平成五年三月に策定され、その後社会状況の変化に対応するため平成九年三月に住宅マスタープランの改定を行いましたが、長引く不況、少子・高齢化の進行に伴う人口構成の変化、生活形態の多様化など、時代に見合ったものとするため、平成十三年三月に再度改定をするなど、社会や時代の変化に応じての対応については評価できるものと思います。
     多様化する区民ニーズの中でも、核家族化の進行や家督の継承に対することへの考え方の変化なども加わり、いつまでも親子が同じ住居に住み続けることは難しいのが現況である中、高齢者世帯が増加しつつあり、高齢者単身世帯がますますふえるであろうと思われます。住みなれた場所を離れたがらないのも高齢者の特徴であると思います。  元気で長生き、この現代にあって自立して生活もできる元気な高齢の方々は、ますます増加することと推測されます。このように自立して生活を営める方々が、寄り添い助け合ってゆとりを感じながら暮らしていけるグループハウスのような居住形態も、今後の選択肢の一つとして提供できるよう、さらなる整備の推進が必要と考えます。  グループハウスの運営に関しては、まだまだクリアしなくてはならない問題点もかなりあるわけですが、自治体が他の民間ボランティア団体やNPOとの連携を密にし、支援態勢がどこまで整えられるかが大変に重要なところと考えます。目黒区住宅マスタープランの中にもありますついの住みかとして、選択の対象とすることができるよう推進への強化を図られたいと考えますがいかがですか。  次に、社会制度。  国民年金制度等は時代に合った生きた制度として提供されることが必要であると思います。我が国の公的年金制度は、一般的な社会保険制度として昭和十七年、労働者年金保険法に始まり、昭和三十六年の国民年金制度の創設により国民皆年金を達成しました。以後、着実に制度の充実が図られ、国民の老後生活の主柱となってきた。  本格的な高齢社会の到来を控え、昭和六十年の基礎年金の導入、給付水準の適正化など、平成元年には完全自動物価スライドの導入、翌平成二年は被用者年金制度の費用負担調整事業の開始、平成六年には老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げ、ネット所得スライドの導入、平成十二年には給付総額の伸びの調整(給付水準の適正化、老齢厚生年金の支給開始年齢の引き上げなど)の対応がなされていますが、将来にわたって役割を果たしていくことのできる持続可能で安定的な制度とは言いがたいのが実態であると思います。  ライフスタイルが多様化している今日、女性の長い老後期間に対する保障については十分とは言えません。男女が家庭的責任を果たしつつ、様々な形で就労したことが年金制度上評価され、それに応じて老後の自立生活を支える年金として、充実すべき制度と考えます。共働き世帯、片働き世帯との間の均衡を図る、みずから働いて保険料を納付したことが、できる限り給付に反映する仕組みとする等の観点から、見直しに向けて女性の就労支援策等や少子化対策の推進。この少子化対策の推進は、支え手をふやす取り組みの一つとして取り入れるべきと考えます。  健康保険制度、税制、企業の配偶者手当の問題について、また世帯単位と個人単位、応能負担と応益負担、公平性の確保など、他の政策分野も含めた総合的な対応が求められています。国の制度だから自治体としては対応が難しいなどと決めてかからず、区民の老後が将来に希望の持てる納付の意識改革がなされるよう、本区としての取り組みを伺います。  厳しい行財政の続く中、状況の打開に向けて政策策定過程情報の公表制度、事業評価制度、オンブズパーソン制度、包括外部監査制度など前向きな取り組みに対して、制度が現代のリズムと調和のとれた生きた制度として運用されることを期待申し上げ、私の質問を終わります。(拍手) ○藥師寺克一区長 木村議員の七点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。  まず第一点目、雇用対策についてでございますが、雇用情勢は長引く不況の影響が著しく、特に都内の失業者は未就職の若年者、リストラ・倒産による中高年齢者を中心に、昨年後半に都内の完全失業率は五・六%という最悪の状況に至っております。  国は平成十三年度補正予算により、緊急地域雇用創出特別交付金を創設し、平成十三年度後半から足かけ四年の事業を実施することとなりました。予算規模も平成十一年度から本年度にかけて行ってきた緊急雇用対策交付金の一・三倍の事業予算が組まれております。  区はこれを受けて雇用創出事業を実施すべく、平成十四年度予算には九千八百万円余の事業を計上いたしました。できるだけ早い時期に雇用創出の効果を出せるよう、事業に取り組んでまいります。  また、お尋ねの区民雇用に関しましては、国の補助金では人件費割合を高く設定しているものの、区民に限定した雇用を条件としてつけられないことから、区の独自対策事業として区民雇用創出の条件を付した事業をあわせて実施してまいります。  雇用対策事業の実施に当たっては、国の交付金事業も区民の雇用に資するよう配慮してまいりますが、あくまでも緊急対策としてのつなぎ雇用でしかないことから、区内企業の経営安定や新産業、新規事業の創出などを支援しながら、抜本的な雇用の安定化を図れるよう区としてできるだけ対策に努めてまいりたいと存じます。  次に第二点目、終末期医療のあり方などについてでございますが、まず、治癒の見込みがなく、死期に近づいた高齢者がどのように最期を迎えられるかというターミナルケアにつきましては、高齢者本人及び家族にとって重要なことであります。延命治療中心ではなく、高齢者の人格を尊重した包括的な援助が行われることが必要であります。すなわち、身体的苦痛を緩和し、死に直面した不安、恐怖、孤独感など精神的苦痛や、家族、職業、経済のことなど社会的苦痛を取り除き、平安な気持ちで死が迎えられるよう、医療サービスを提供する医師を中心とした看護師や介護者、ソーシャルワーカーなどの専門家チームによるケアが提供されることが望ましい姿であると考えております。  しかしながら、在宅あるいは福祉施設におけるターミナルケアについては、現実問題として難しい状況にございます。在宅にあっては、日常的に往診が行われることは困難であり、介護者の過大な負担などの問題もございます。また、福祉施設にあっては、基本的に医療のための施設というより生活の場であり、ターミナルケアに求められる医療機関と同等の医療が二十四時間提供されることは極めて難しい状況にあり、その点からも医療機関との役割分担などの問題もあるところでございます。  次に、介護保険制度の見直し及び基盤整備につきましては、介護保険制度実施から約二年が経過しようとする中で、国においても平成十五年度に向けて要介護認定方法や介護報酬などについて、現在、見直し作業が進められております。一方、保険者である区におきましても、おおむね順調に制度運営を行ってきているところでございますが、制度の適切な運営のためにサービス評価の試行やサービス従事者の質の向上を図るための講演会・研修会の開催、連絡会での事例検討などの質の高いサービス提供に向けての課題もございますので、これらの課題解決に向け、取り組んでいきたいと考えております。  また、区民が求める多様な介護サービスの需要にこたえるため、施設サービス・居宅サービスの事業者参入促進や人材確保・養成、事業者間の連携の強化を図ることなど、介護保険基盤整備を積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に第三点目、男女が平等に参画する社会づくりの推進についてでございますが、このたび提案を予定いたしております「目黒区男女が平等に共同参画する社会づくり条例」(案)につきましては、人権と平和の尊重を基本理念とし、さらに男女が平等に参画する社会づくりの推進を基本方針に掲げてまちづくりに取り組んでまいりました目黒区といたしまして、国や国際的な動きとも呼応し、区民及び事業者の方々と協働して男女が平等に共同参画する社会づくりを推進するため、提案したものでございます。  条例制定後の施策といたしましては、より実効性のあるものとなるよう、男女平等・共同参画審議会及び男女平等・共同参画オンブーズの設置を予定しております。  また、御質疑にございました子育てや介護に関連した支援策は、家庭生活と職業生活の両立及び少子・高齢社会に対応する施策として、今後一層重要な課題であると認識いたしているところでございます。  その中で、子育て支援といたしましては、多様な保育ニーズに柔軟に対応していく観点から、新たな保育サービスである認証保育所に対し運営費を補助するなど、保育環境の整備を推進してまいります。  また、新たな時代の要請に的確に対応した新しい母子家庭などの対策の確立に向けて、厚生労働省は総合的な母子家庭等の自立支援策を策定いたしました。さらに、このたびは母子家庭支援見直し(案)骨子の公表がございました。  今後はその推移を見ながら、子育て家庭が目黒区に住み続けることができ、安心して子供を産み育てることができるよう、また、児童虐待や配偶者からの暴力の防止なども含め、関係所管との連携をとりながら、子育て家庭への支援策を充実してまいりたいと存じます。  さらに、区政全般につきましては、「男女平等共同参画推進計画」を策定いたしまして、目黒区に条例の理念が生かされるよう関係所管との連携の強化を図り、区民や事業者の方々とも協働して、男女が平等に共同参画する社会づくりの推進に取り組んでまいりたいと存じます。  次に第四点目、個人情報の管理に関する前段の国民健康保険証の個人カードの発行についてでございますが、今回のカード化は健康保険法施行規則の改正によりまして、被保険者の利便性を図る観点から被保険者証を世帯に一枚ではなく、被保険者一人に一枚のカード形式にするものでございます。  このカードの発行に際しましては、あくまで国民健康保険のシステムにより、現行の国民健康保険証とほぼ同様の情報が記載されることになってございます。したがいまして、現在開発中の住民基本台帳ネットワークシステムによる本人確認情報の提供や住民票の広域交付とは目的が異なるものでございます。また、カードの発行や利用に際しても住民基本台帳ネットワークを利用するものではございません。  次に、後段の個人情報保護条例の運用についてでございますが、個人情報の管理につきましては、安全保護の原則がございます。これは、実施機関が個人情報の適正な管理と安全保護を図るため、個人情報の漏えい・滅失・改ざん・棄損その他の事故を未然に防止するよう定めたものでございます。具体的には個人情報保護条例第十条一項二号で定めてございます。  また、個人情報保護条例は、原則として区と国等の電子計算組織を通信回線などで結合することを禁止しておりますが、例外的に結合が必要な場合も、まずはこの安全保護の原則にのっとり、個人情報の保護について十分な安全確保措置が図られた後でなければ、そもそも結合は許されないという考え方になってございます。  住民基本台帳法におきましても、住民票に記載されている事項の漏えい防止など安全確保のため、最新の技術を取り入れるなど、区長が必要な措置をとらなければならないとされているところでございます。この点は、審議会に意見を求める以前の区長としての義務とも考えられております。  プライバシーの侵害など基本的人権にかかわる問題が生じないよう、区としてできる限りの安全確保を図ることがすべての前提であります。私としましては、今後とも区民の基本的人権を守ることを最優先に、情報の適切な管理に当たってまいる所存でございます。  次に第五点目、地域防災についての第一問、災害に強いまちづくりと危険箇所の把握についてでございます。  防災対策を進める上で重要なことの一つは、市街地の防災性を高めること、また、地域の防災体制や防災設備を整備することなどによる災害に強いまちづくりであると考えております。  このため、木造住宅密集地域整備事業など、各種の補助事業を活用いたしまして、道路や公園の整備、また、建物の不燃化などを着実に推進しているところでございます。  さらに、目黒消防署と連携し消防水利を確保し、また、地域に小型消防ポンプや防災資機材格納庫を配備するなど、地域の防災設備の充実にも努めているところでございます。  次に、危険箇所についてでございますが、危険の解消のためにも、また、災害時において重点的に警戒するためにも、危険箇所の把握は重要なことと考えております。現在、地域的な危険度につきましては、平成十年に東京都が発表いたしました「地震に関する地域危険度測定調査報告書」のデータを利用し、また、がけや擁壁など個別の箇所につきましては、各所管の調査している情報をもとに把握しております。  一方、目黒消防署や交通機関など、防災関係機関もそれぞれの視点から危険箇所を把握しています。  今後は各防災関係機関の協力を得まして、それぞれの情報を取り入れた、総合的な危険箇所の把握に努めてまいりたいと存じます。  次に第二問、車いす利用者や高齢者などの把握と伝達方法についてでございます。  障害者、介護を必要とする高齢者、乳幼児などは災害時にみずからを守るために必要な行動をとることが困難なため、多くの支援が必要になります。特に災害発生直後の避難、初期消火、救助・救護にかかわる支援はその方の安否に対して大きく影響することになります。したがいまして、災害発生直後にいち早く支援を開始するために、平素から災害時に支援の必要な方を把握しておくことは重要なことであります。  しかしながら、その情報は個人のプライバシーに関するものであり、取り扱いについては慎重に配慮されなければなりません。高齢者、障害者などにつきましては、各種認定申請時に御本人の同意を得た場合は、その方の情報を区と消防署及び警察署などと共有し、速やかに支援を開始できるよう努めております。  しかし、災害発生時に最も速く支援を開始できるのは、同じ地域に暮らす近隣の方々であります。したがいまして、地域の方々の支援を得るためにも、支援を必要とする方やその御家族の方も日ごろから声をかけ合うなど、地域との交流を深めていただきたいと存じます。  区といたしましても、消防署や消防団、町会、住区住民会議など、地域の皆様方と協力し、支援を要する方の情報の把握方法を検討し、支援体制づくりを進めてまいりたいと考えております。  また、情報の伝達方法ですが、現在は災害が発生した場合には、学校などに設置した無線塔や広報車などから音声により情報を伝達することとしております。また、聴覚に障害をお持ちの方のうち、御本人から申し出があり、障害福祉課で把握している方については、ファクシミリ番号を利用し、情報伝達するべく考えております。  今後、障害をお持ちの方との防災訓練や意見交換を通じまして、より有効な情報伝達方法を検討していきたいと存じます。  次に第六点目、高齢者の住宅供給のあり方についてでございます。  高齢者住宅計画につきましては、高齢者が安心して快適に住み続けられる住宅と住環境の確保を基本目標とし、その達成には高齢者の居住に適した住宅の整備と生活支援体制や民間事業者、民間活動団体などの連携による効果的な施策の展開を図ることを掲げております。  平成十三年四月には「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が制定され、民間活力を活用した高齢者向け優良賃貸住宅の供給、高齢者の入居を拒まない賃貸住宅の確保、死亡時まで賃貸住宅に住み続けることができる終身建物賃貸借制度など、法律による支援制度が整備されつつあります。  一方、家族形態の変化に合わせて、住まい方に対するニーズにも多様化が見られます。二世代、三世代の同居形態が少なくなり、高齢者のみの居住や子供世帯との隣居・近居が増加し、互いに自立した親子関係を求めるようになっています。  また、近年、グループハウス、コレクティブハウスなど、共同して建てる、共同して暮らすということを大切にした新しい住まい方や住まいが広がりを見せております。  御指摘のグループハウスについてでございますが、区といたしましても区民の参加意向に対する基礎調査や講演会などを通じて紹介し普及を図るとともに、自己の土地や住宅を利用したいと考える区民に対して、専門コンサルタントの派遣などの支援を検討し推進を図ってまいります。  また、住宅部門だけでなく、保健福祉施策やNPO、地域のボランティア団体による福祉サービスとの連携を図りながら、新しい住まい方の実現に向けた協力体制を構築してまいります。  いずれにしましても、高齢化が進む中で高齢者が住みなれた地域で自立し、生き生きと充実した生活を送るために、さまざまなライフスタイルに合わせた住宅施策を展開していく所存でございます。  次に第七点目、現行制度が現代のリズムとの調和のとれない箇所とその対応についてでございます。  少子・高齢化の急速な進展、経済成長の鈍化、家族形態や雇用慣行の多様化など、日本の社会構造は大きく変化しております。  その一方で、特に現在の社会保障については、給付と負担が経済成長を大きく上回って増大することが見込まれており、特に若い世代を中心に、社会保障制度の持続可能性や将来の負担増に対する懸念が増大しているという大きな課題を抱えております。  例えば、高齢者の医療にかかる負担については、高齢者の心身の特性なども考慮して、現役世代と比較して低い水準となるように設定されています。しかし、高齢者の経済力は平均的には現役世代と大きな差のない水準にありますので、高齢者と現役世代との負担の公平を図るためには、高齢者にもその負担能力に応じ、応分の負担を求められております。  本区におきましても、行財政改革大綱で公平性の視点から特定の区民だけが受けるサービスはそのコストを明らかにし、区民からは適正な負担をしていただくことなどを検討しております。また、おはよう訪問事業などのように事業開始以来、基本的構造を変えないで特定の世代にのみ行っている経済給付的事業を見直し、新たな時代に適合した施策を展開してまいりたいと存じます。  以上、お答えとさせていただきます。    〔「議長、二十二番」と呼ぶ者あり〕 ○宮沢信男議長 二十二番木村洋子議員。 ○二十二番(木村洋子議員) 先ほどの個人情報保護の部分で、ちょっと余り時間がないので端的にお伺いしたいんです。  利用範囲の拡大がなされないというようなことで、大分自信を持っておられて前回もお答えをちょうだいしたと思うんですが、現にこのように内容が拡大していってしまっているわけなんです。こういうことに対して現状の個人情報保護条例では対応できないんではなかろうかという大変心配がされるところでございまして、利用の拡大に対しては住民のプライバシーが侵害されるおそれがあるということは、杉並区などでもこれに対して大変強く懸念し、心配されているところでございますので、ここでは住居プライバシー条例を特に制定して、万が一のときにはこれが切断できるというような、長としての最終的な責任がとれるような部分等の条例制定等もやっておるところもございます。  また、国立市ではとてもこんなことは容認できないといったような心配もありますので、メディア化の進歩というのはとても追いつけない部分もあります。これは大変便利なものですし、事務事業も簡素化できます。そして、かなり正確な情報の収集もできるんですが、万が一の事故もやはり大きいことに発展しかねない要素が大変大きいわけでございますので、そこら辺の十分な対応等も、今後また進める中でも実際のシステムが整った後にも、こういうことは必ず注意深く見守っていって、それなりの対処が必要かと考えますので、そこら辺についての認識がどの程度までというところを、もう少し御答弁いただきたいと思います。  以上で結構です。 ○藥師寺克一区長 木村議員の再質問でございます。  確かに住民基本台帳ネットワークシステムがこれから始まるわけでございますが、現在の情勢では、既に公開性の強い、先ほどの御質疑にもありましたように、住所・氏名など限定されているところでございまして、私どももそういう状況の中でこれを進めていこうということでございます。  今、国の方で考えているようでございます利用範囲の拡大というようなことにつきましては、今後、法がどのように整備されていくか、それによると思いますが、いずれにいたしましても、個人のプライバシーというのは最大限に確保していかなければならない。特に目黒区の個人情報保護条例でも公開するのは限定されているように、大変強く個人の情報が保護されているような仕組みになっていると私は思っております。  政府が利用範囲をさらに現在いっている範囲よりも拡大していくということになると、これは国の方でも十分慎重な審議が行われて法の整備が行われるというふうになると思いますが、それにつけても単独で条例の制定ができるのかどうか。そこら辺も含めて、やはりこれは利用が拡大するということは、言ってみれば住民の利便に供する範囲が拡大されるということにもなる面があろうかと思いますので、拡大については今後の国の法整備の動きを見ながら、私どもも慎重に対応を検討していかなければならない、そのように考えているところでございます。 ○宮沢信男議長 木村洋子議員の代表質問を終わります。  次に、二十四番俵一郎議員。    〔俵一郎議員登壇〕(拍手) ○二十四番(俵一郎議員) 私は公明党目黒区議団を代表して、藥師寺区長の所信表明及び当面する重要課題について質問いたします。明快な御答弁をお願いいたします。  第一点目、区長の所信の中、環境に配慮した安全で快適なまちの実現について伺います。  目黒我がまちの暮らし心地は、首都圏の中ではどの程度であるのか。区民が一度は考えるところであります。最近、マスコミが首都圏三千六百七十一人のアンケートを集計。これはあくまでも住んでいる人の実感をもとにした結果ですが、住宅街で殺人事件が発生するなど最近の世相を反映して、安全な暮らしへの意識が高まっているようです。  安全・防犯への警察・行政対策は十分かとの問いに対して、山の手地域では「十分だ」と答えた人はわずか二%、「やや不十分」「全く不十分」と答えた人の合計が六五・七%にも達し、安全面への不安が大きいものとなっています。  隣接区の住民の意見を紹介してみますと、「近くで銃使用の殺人事件があったが、一カ月以上も未解決で怖い」これは大田区。「自宅近くで警察官と会うことがない。見回りをしているのかわからない」世田谷区。「駐車禁止等もいいが、もっと頻繁にまちの巡回をしてほしい」は品川区。「もっと区民にどういう対策を立てているのかアピールしてほしい」港区等であります。  私はこうした生の声を伺いながら、住民は安全への不安が高まる一方で、自分の身は自分で守るという意識を持つことに心がけていることを感じます。  そこで第一に、区長には所信の中で「安全なまち目黒、安全・防犯対策への確立」について言及すべきではなかったのですか、伺いたいと思います。  第二に、山の手地域は今や安全ではない。一家虐殺事件の犯人は相変わらず捕まっていない。安全面には六五・七%が不安を感じています。積極的な対策を進めるべきと思いますが、伺います。  第三に、目黒区基本構想が掲げている「ともにつくるみどり豊かな人間のまち」を実現するためには、犯罪や非行のない明るいまちづくりが欠かせない条件の一つとなっています。そこで、地域ぐるみで安心で安全な生活環境をつくっていくことが一層重要になっています。これについて具体的な施策を伺います。  第四に、最近は大人だけではありません。低学年の児童が不審者に声をかけられる事件が続いています。保護者、学校関係者は気が休まりません。きめ細かな対策が必要であると思いますが、伺いたいと思います。  大きな第二点目、安全で快適な都市環境整備に関するバリアフリーのまちづくりについてお尋ねいたします。  第一に、バリアフリー推進基本構想の策定に向けた調査の進捗状況について伺います。  第二に、東京急行電鉄・中目黒駅施設改良計画及び自由が丘駅舎改良計画について伺いたいと思います。  第三に、目黒区として病院や店舗など多数の人が利用する生活関連施設を高齢者・障害者が安心して利用できるように、情報の提供や施設設置者へのバリアフリー化の意識啓発を目的に施設整備がされていることを認定する(仮称)めぐろバリアフリーステッカーの交付を行ってはどうか伺います。  ちなみに、一、車いす進入可能、二、「車いす対応トイレ可、三番目にエレベーター車いす可、四番目におむつ交換台ありと、とりあえずこの四種類から始めてはどうでしょうか、伺いたいと思います。  大きな第三点目、長期計画の基本目標の一つ「豊かな人間性をはぐくむ、文化の香り高いまち」の実現に向けての「心豊かな子どもの育成と生涯学習・文化・スポーツの振興」についてです。  学校教育分野におきましては、本年四月から完全学校週五日制の実施に伴い、新しい学習指導要領が全面実施されます。  各家庭の話題は子供たちの土曜日の使い方であり、彼らの過ごし方が保護者の一番の関心事です。自分の子供がもし土曜日、家の中で何もしないでごろごろしている姿を思うとぞっとするとの悲観論が噴き出してきています。  そこで伺いたいと思います。完全学校週五日制の実施に伴い、児童・生徒の土曜日の使い方について、家庭の視点でお考えなさったことはございますか、伺います。
     第二に、完全学校週五日制に対応した土曜日事業について、子供たちが目的を持ち、楽しい活力ある過ごし方ができるような具体的な施策を伺いたいと思います。  第四点目、子供の読書活動の推進についてです。  子供たちの周囲にはテレビゲーム、ビデオ、CDなどAV、いわゆるオーディオビジュアル関連機器が急速に浸透する一方、塾通いによる時間的制約も加わり、子供が本と接する機会がより少なくなっているとの指摘が教育現場などからありました。また、良書に触れることによって生きる勇気や正義へのあこがれをわき立たせ、人間への優しさをはぐくむ機会を子供たちにたくさん与えてあげたいとの気持ちは、多くの大人が抱いているところでございます。  これについては、先日来日したローラ米国大統領夫人は二月十八日に中央区立の小学校を訪問しました。そこで絵本朗読をし、子供たちと交流をいたしました。元教師のローラ夫人は、子供というのは小さいころから親が本を読み聞かせることが非常に大切であり、成長の因になると言っておりました。  そこで第一に、こうした中、学校や家庭での読み聞かせ運動が行われています。小・中・高校の始業前の十分間程度行う朝の読書も七千七百校で実施されていますが、目黒区での実施状況について伺いたいと思います。  第二に、乳幼児健診の際に保護者に対してガイドブック、図書案内などをセットで贈る、ブックスタート事業などの取り組みも各地で進んでいます。本区ではいかがでしょうか、伺いたいと思います。  第三に、国レベルでも子供の読書活動を国や自治体が支援するための法整備が進み、昨年十二月には「子供の読書活動推進法」が成立・施行され、責務を定め、具体的な施策を総合的に推進するものです。  ア、として、第四条では地方公共団体の責務として、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子供の読書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有するとあります。  また、第七条には、関連機関との連携強化として、子供の読書活動の推進に関する施策が円滑に実施されるよう、学校図書館その他の関係機関及び民間団体との連携強化、その他必要な体制の整備に努めるものとあります。  子供の読書活動の推進に関する施策の策定はいつごろからお始めになりますか。また、必要な体制の整備についてはどうでしょうか、伺いたいと思います。  イ、第十条では、子ども読書の日は四月二十三日と決められましたが、地方公共団体は子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業に努めなければなりません。本区は四月二十三日、こども読書の日に広く子供の読書活動についての関心と理解を深めるため、趣旨にふさわしい事業を実施すべきであると思いますが、伺いたいと思います。  第五点目、ITを有効に活用して構造改革を進める電子自治体についてであります。  第一に、区民の視点から電子区役所とか、そういう呼び方には非常に違和感があります。はっきり言って区役所の業務のメリットは、区民の側から見るととてもわかりにくいと思いますが、今後、理解をどのように求めていくか伺いたいと思います。  第二に、まだまだ日本の現状は霞が関情報化であり、電子都庁であり、電子区役所の議論にとどまっていると思います。区民の生活にプラスになるようなIT化を最優先するべきであると思いますが、伺いたいと思います。  第三に、財政難の時期にかなりの予算を投入して行うので、役所と民間が相互発展できるようなモデルを構築しなければ意味がありません。ITをめぐる官と民のパートナーシップのあり方について、伺いたいと思います。  次に第六点目は、区民サービスの向上についてです。郵政官署事務取扱法、いわゆるワンストップ法成立に伴い、全国の各地方自治体では、住民が戸籍謄本や住民票などを郵便局で受け取ることができるサービスを検討しているところです。  実際、岡山市、茅野市などでは間もなく開始の方針です。概要は利用する住民が郵便局で記入した申請書を郵便局がファクシミリで市役所に送付、市役所は内容を審査した後、専用回線で証明書の内容を送信、郵便局のプリンターから証明書が出力されます。申請書送付から証明書交付までは、何と五分程度と見ています。  総務省は各地方自治体の積極的な取り組みに期待し、手数料等の検討を行っているところです。  そこで第一に、目黒区としては郵便局で住民票などの交付サービス導入の準備を進めるべきであると思いますが、お考えを伺いたいと思います。  第二に、このサービスが実現しますと、区の外れに住んでおられる住民にもきめ細かな交付サービスが行き届くことになりますが、伺いたいと思います。  第三に、本区として年間の取り扱い件数の予測及び区が郵政局に支払う手数料について調査していただきたいと思いますが、伺います。  最後に第七点目ですが、地方選に電子投票を導入することについてです。  コンピューター端末を用いて投票・開票・集計ができることを定めた「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」が昨年十一月三十日、第百三十五回臨時国会で成立し、十二月七日に公布されました。  公職選挙法の特例を定めたことで、地方公共団体が条例で定めることにより、地方選挙に電子投票を導入することが可能となりました。電子投票とは、タッチパネルに触れて投票することなど、電子機器を用いて投票する方法。これまでの投票用紙に候補者名を自分で書いて投票箱に入れる方法から、例えば銀行のATM方式、いわゆる現金自動預入払出機のような装置での投票が地方議会の議員と首長の選挙で可能になります。  そこでお尋ねします。略して「電磁投票法」が成立し、各地方自治体が検討しているところですが、本区でも準備を進めるべきであると思いますが、伺いたいと思います。  第二に、このメリットは、選挙の公正かつ適正な執行を確保しつつ、開票事務等の効率化や迅速化が図られることになると思います。その点について伺います。  第三に、一方では不在者投票、あるいは身体の故障等により、みずから電子投票機を用いた投票を行うことができないこともあり、これらを想定して取り組みを進めてはどうか、伺いたいと思います。  第四に、ある市ではことし六月に行われる市長・市議の同日選挙において電子投票を導入することを決め、全国初の試みとなります。本区はことしの秋には区長選、来年春には区議選が予定されていますが、採用するには時間的な問題がありますが、今後のことを含めてお考えを伺いたいと思います。  以上、七点にわたる私の代表質問を終わります。(拍手)    〔藥師寺克一区長登壇〕 ○藥師寺克一区長 俵議員の七点にわたる御質問に順次お答え申し上げます。  なお、第三点目と四点目につきましては教育委員会、第七点目につきましては選挙管理委員会の所管事項でありますので、それぞれ教育長、選挙管理委員会事務局長からお答え申し上げます。  まず第一点目、「環境に配慮した安全で快適なまちの実現」についての第一問、所信表明の中で「安全なまち目黒、安全・防犯対策への確立」について言及すべきではなかったかという点についてでございますが、区民が日々の生活を安全に安心して送れるということは生活をしていく上での基本であり、大変重要なことであると認識いたしております。  区民生活の安全を守るということは、私の区政執行に臨む基本姿勢の一つでございますが、御指摘のとおり区民の方々にも自分の安全は自分で守るという意識を持ち、実行していただくことも必要であろうかと存じます。  このようなことから、平成十一年四月、他区に先駆けて目黒区生活安全条例を制定し、その中で区民生活の安全を守る区の決意及び区と区民双方の責務を定めております。区民生活の安全に係る対策は既定事業の中で取り組んでおりますので、改めて所信表明の中で申し述べることはいたしませんでしたが、常に区民が安心して日々の生活を送ることができるように、今後とも警察・消防を初め、防犯協会などの団体と連携を深めるとともに、安全な生活環境の整備に取り組み、安全に安心して住み続けられる目黒のまちを目指してまいる所存でございます。  次に第二問、区民生活の安全を守るための積極的な対応を進めるべきであるという点についてでございます。  本区におきましては、これらの問題を協議する主な機関として、区職員で構成いたしております危機管理会議及び生活安全条例に基づき設置されております警察、消防、防犯協会、区職員などを構成員といたします生活安全対策協議会がございます。ここでは随時会議を開催し、情報交換や各種の防犯対策などを検討いたしております。例えば、昨年発生いたしました大阪の小学校の事件や米国での同時多発テロ事件の際、直ちに区の危機管理会議を開催し、区としての対策を協議したり、生活安全対策協議会を開催して、警察・消防との情報交換や対策を検討いたしました。  今後におきましても、区民生活の安全を守るため、区・警察・消防の各機関が迅速に役割を遂行するとともに相互の連携をより一層強化し、状況の変化に対しても適切な態勢で取り組めるよう、必要な協議を図ってまいりたいと存じます。  次に第三問、犯罪や非行のない安心で安全な生活環境をつくる具体的な施策についてでございます。  区独自のものや関係機関と連携して実施しているものなど、さまざまな施策を行っております。  例えば、区独自の施策として夜間暗がりでの犯罪を防止するための街路灯の整備、公園での犯罪防止策として樹木の剪定、学校における防犯マップの作成、学校一一〇番の設置(緊急通報装置)などの対策を講じております。  関係機関との連携による施策としては、生活安全対策協議会の提言の具体化として、警察の協力により防犯を内容とする社会教育講座の実施。防犯協会の協力により非行防止の観点から有害図書を扱う自動販売機の撤去活動の実施などがございます。  また、特に目黒・碑文谷両署へは特定の犯罪が頻発している地域でのパトロール強化の要請や、ピッキングによる侵入盗を防止するパンフレットを区の窓口で配布するなどの啓発活動に努めるおります。さらに、区庁舎において警察による区民のための警察相談の場の提供など、積極的に対応しております。  このほか、毎年春と秋に警察と共催で地域安全の集いを実施し、犯罪予防の啓発にも取り組んでいるところでございます。  今後におきましても、区民生活の安全を確保するため、生活安全条例の趣旨に沿って関係機関との連携強化を図るとともに、生活安全対策協議会や青少年問題協議会において必要な協議を重ね、かつPTAや地域団体からの御協力を得ながら、区民、関係機関、区が一体となって、目黒がより一層安心で安全なまちと言われる生活環境を創出してまいりたいと存じます。  次に第四問、大人だけでなく低学年の児童に対してのきめ細かな対策についてでございますが、確かに最近の犯罪の傾向を見ますと、特に自分より弱い者や御指摘の低学年の児童が犯罪の対象となるなど、悪質で陰湿な犯罪が多く見受けられます。  本区におきましては、生活安全対策協議会の提言を受けて、児童が危険を感じたときに助けを求められるよう「子ども一一〇番の家」という制度を区民の御理解、御協力を得て平成十二年度から全区的に進めております。また、学童保育クラブに通所する児童の安全を確保するため、防犯ブザーの無償貸与、さらには新たな取り組みとして「防犯パトロール」という表示を保護者が使用する自転車につけ、地域の防犯意識の向上と犯罪の予防に役立てるべく取り組みを進めているところでございます。  引き続き区民生活の安全対策につきましては、警察・消防とも協力し合いながら取り組んでまいりますが、特に児童の安全につきましては、今後とも区民の御理解と御協力を得ながら、生活安全対策協議会の提言や青少年問題協議会、各地域団体などから御意見もいただき、実施可能な対策から順次対応してまいりたいと存じます。  次に第二点目、安全で快適な都市環境整備に関するバリアフリーのまちづくりについての第一問目、「バリアフリー推進基本構想」の策定に向けた調査の進捗状況についてでございますが、いわゆる交通バリアフリー法は高齢者と障害者などが便利で安全に公共交通機関を利用して移動できる社会を目指して、平成十二年五月に公布されました。この法律では市区町村が主体となって基本構想を定め、それに沿って交通事業者、道路管理者などが事業計画を作成し、移動経路のバリアフリー化を平成二十二年度までに進めていくこととしております。  目黒区基本計画でもバリアフリーのまちづくりを掲げ、交通バリアフリーの観点から歩道の整備や各種施設の段差解消などを初め、鉄道事業者の協力を得ながら駅のエレベーターやエスカレーターなどの設置を進めておりますが、いまだ十分とは言えません。  そこで、区内のバリアフリー化を体系的・計画的に進めるため、「目黒区交通バリアフリー基本構想」を平成十五年度に策定することとし、今年度から基礎調査に着手したところでございます。  この調査では、区内や隣接する十三駅を中心とした徒歩圏、おおむね半径五百メートルの範囲について道路の状況、地域の施設の立地状況などの地域特性の把握や、鉄道・バス事業者、商店会などへの意向調査を行い、今後、調査結果を整理し、策定に向けた基本的考え方を取りまとめながら、基本構想素案作成の作業を進めてまいります。  平成十四年度以降は、交通バリアフリー法で定めている基本方針や事業要件に基づき、重点的に整備を進めていく地区を選定するとともに、この地区内の主要な経路を設定し、具体的に整備の方向を整理した上で、「目黒区交通バリアフリー推進基本構想」を策定してまいります。その後に、この基本構想に沿って関係機関などの協力を得ながら、だれもが安心して移動できる社会の実現を目指し、鉄道施設や歩行空間の整備促進を図ってまいりたいと存じます。  次に第二点目、第二問、東京急行電鉄の中目黒駅及び自由が丘駅の施設改良計画についてでございますが、いわゆる交通バリアフリー法では、交通事業者に対し、駅などの旅客施設の新設や大改良の際、また、車両などを新たに導入する場合には、すべての利用者に利用しやすい施設・設備とすることを義務づけております。また、既設の旅客施設についても速やかに整備することが求められており、目黒区内でも駒場東大前駅や都立大学駅については、今年度中にエレベーターが設置される状況でございます。  お尋ねの中目黒駅は、区役所庁舎の移転や上目黒二丁目再開発事業の完成、さらには将来、東急東横線と営団十三号線の相互直通運転が計画されるなど、駅利用者の増加が予想されます。このため、区といたしましては、駅施設のバリアフリー化の観点から乗降客の利便性・安全性の向上を促進するため、昇降機の設置、便所の改善、改札口の増設など、東急電鉄に要望してきております。  当面、上目黒二丁目再開発地側への暫定通路の確保やコンコースの段差解消とエレベーターの設置計画がまとまり、平成十四年十二月末までの完了を目指し、着工しております。  また、自由が丘駅の改良についても、自由が丘地区整備方針に示されたまちづくりの考え方などとの整合性にも配慮しながら、昇降機の設置や便所の改善など、バリアフリー化の早期実現の要望をしてきております。しかしながら、大井町線と東横線が交差するため、駅舎の構造や機能面が複雑であることから、検討に時間を要しております。  いずれにいたしましても、駅の施設改良は周辺のまちづくりとの関連性にも配慮しながら、今後も鉄道事業者に駅施設を早期に改良するよう、引き続き要請してまいります。  次に第二点目、第三問、バリアフリーステッカーについてでございますが、現在、東京都福祉のまちづくり条例により、建物や設備の表示を含めましてバリアフリーに関する指導等を行っております。  この中に整備基準適合証の交付が行えるようになっておりますが、これは個別の設備単体での整備ではなく、建物全体で福祉基準を満たした場合のみとなっているため、かなり公共性が高く大規模な建物が適合することが多く、目黒区での実績はほとんどありません。  そこで、御提案の「めぐろバリアフリーステッカー」でございますが、個別の設備につきましても東京都福祉のまちづくり条例にその仕様などの基準が設けられており、この基準に適合する設備には所定のマークの表示を行うことができるようになっております。  福祉対応といっても下肢障害の方への対応なのか、聴覚障害や視覚障害の方への対応なのか、なかなか個々の設備面の設置状況だけで福祉基準適合というような判断は難しいものがあると考えます。  しかし、議員御指摘のように、だれでもが安心して利用することができるためには、どのような設備がどこにあるのかがわかりやすく知らされていることが必要だと考えます。  都における条例の中でも、わかりやすい表示方法としてマークが決められており、これはかなり周知が行き届いておりますので、このマークを利用者にとってよりわかりやすい表示効果へとつないでまいりたいと考えます。  新設の施設では、エレベーターやだれでもトイレなど、かなり福祉設備が整備されてきておりますので、福祉のまちづくりの協議の中におきましても、設備の設置とともにそのマークや表示方法などにつきましても、建物所有者に要請及び指導をしてまいりたいと考えております。  次に第五点目、電子自治体に関する第一問、電子区役所への理解についてでございます。  昨年三月に発表されました「e−Japan重点計画」により、平成十五年までに電子政府を実現するための具体的施策が決定されました。また、同じく平成十五年をめどに、都道府県や区市町村でも国の電子政府に歩調を合わせた電子自治体の実現が求められているところでございます。  議員御指摘のとおり、役所に電子の名を冠し、その新規性や先進性をアピールいたしましても、区民にとって何が便利になるのか判然としないところがあるのは確かかと存じます。電子区役所の具体的なメリットといたしましては、平成十四年八月に稼働する住民基本台帳ネットワークシステムにより申請手続の簡素化・広域化といった全国的に享受できるものから、各自治体のホームページからの情報提供や施設予約のシステムといった申請・届け出手続及び今後普及が見込まれる電子調達のシステムなど、区民が自宅や勤務先からでも区役所の手続が可能となるという地域的なものまで、さまざまなものがあろうかと思います。  区といたしましても、現時点では電子区役所という名前を使った計画はございませんが、今後、情報化施策を推進していく中で、用語などは区民にわかりやすいものを使用することに心がけ、あわせて広報紙やホームページなど、メディアも活用し、区役所の手続がどのように変わり、何が便利になるのか、タイムリーにお知らせしてまいりたいと考えております。  次に第二問、区民の生活にプラスとなるIT化についてでございます。  今後の区のIT化の方向性は区民サービスの向上を目的とした地域情報化施策と、区内部の効率化を目指した行政情報化施策の二本の流れになろうかと思います。この二本の流れは互いに独立するものではなく、どちらも並行的に進めることで相互の補完をなし、相乗効果を生み出すものであります。  具体的には、例えば施設の利用予約を自宅から行うことができるようにすることで、区民の利便性を高めるとともに、区も利用実態を迅速に把握できるなど内部事務の効率化が期待できます。その際、個人情報の保護などセキュリティには十分留意することは言うまでもありません。  今後とも区政が目標とすべきは、あくまで区民サービスの向上にあることを念頭に置き、区民ニーズの把握に努め、地域情報化及び行政情報化双方の優先順位を十分検討した上で、情報化施策を進めてまいりたいと存じます。  次に第三問、IT化をめぐる官民のパートナーシップについてでございます。  情報化施策を進める上で三つの視点があろうかと思います。まず一点目は、民間で実施可能なものは民間にゆだねて進めていくことでございます。これにより、区の行政資源の簡素・効率化が図られるとともに、民間の先進的・専門的な技術を活用することで、より利便性や付加価値の高い情報化の施策の実現が期待できます。  二点目として、民間に対する門戸を広げていくことが考えられます。大手企業や実績のある企業にこだわることなく、すぐれた技術・構想を有する企業の活用は、区内業者育成の観点からも効果のあることだと思います。  三点目は、民間との交流を通じて、その技術力やノウハウを吸収することで、区としての情報を処理し利用する能力の向上が期待できるものと考えております。  近年、情報通信技術の発展や不況が続く社会経済状況からかんがみて、以上に挙げました視点を踏まえつつ、区及び民間が相互に利益を享受できるような関係を、今後ぜひとも築いてまいりたいと考えております。  次に第六点目、区民サービス向上についての第一問、郵便局での住民票などの交付サービス導入についてでございますが、郵政官署事務取扱法が平成十三年十一月十六日に公布され、十二月一日から施行されました。これにより、郵便局において住民票の写しの交付などを取り扱うことが可能になりました。  現在、本区では住民票の写しなどの各種証明書の交付サービスは、区役所本庁舎と四カ所の地区サービス事務所、さらに五カ所の行政サービス窓口で行っておりますが、これらは地域の窓口として定着しているものと認識しております。  当面、郵便局において各種証明書の交付サービスを実施する予定はございませんが、区民サービスの向上の観点から他の自治体の実施状況や区内郵便局の御意見を伺うなど、引き続き検討課題とさせていただきたいと存じます。  次に第二問、郵便局を活用した区境にお住まいの方へのきめ細かなサービスの実施でございますが、現在、区内の各郵便局に住民票の写しや戸籍の謄抄本などの請求用紙を備えており、区民の方が郵送により請求していただく方法で御利用いただいております。  御指摘のように、郵便局を活用した場合、区境にお住まいの方のサービスの向上が図られることになると考えられますが、引き続き、今後検討させていただきたいと存じます。  次に第三問、年間取り扱い件数の予測と郵便局に支払う手数料についてでございますが、現在、区全体で住民票関係で二十二万件、戸籍関係で十万件ほどの証明書が発行されております。そのうち、約半数が地区サービス事務所や行政サービス窓口の出先機関で発行されております。御質問の郵便局で証明書を交付した場合、現時点でどの程度区民の皆さんが利用するかどうか、予測困難でございます。  なお、郵便局に支払う手数料は総務省の通知によりますと、一件百六十円程度が想定されております。さらに、交付に必要なファクシミリなどの機器類も各地方公共団体が全額負担することになりますので、これら経費の面を含め、こちらも引き続き検討してまいりたいと存じます。  以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○宮沢信男議長 この際、お諮りいたします。  本日の会議時間は議事の都合により延長したいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○宮沢信男議長 御異議なしと認めます。  よって、本日の会議時間は延長することに決定いたしました。    〔大塩晃雄教育長登壇〕 ○大塩晃雄教育長 俵議員の第三点目と第四点目につきましては、私からお答え申し上げます。
     まず、第三点目の第一問、完全学校週五日制の実施に伴う児童・生徒の土曜日の過ごし方についてでございますが、これはまず家庭におきまして、子供としてはどのように過ごしたいのか、保護者としてはどのような過ごし方を期待しているのかについて十分話し合っていただくことが大切だろうかと考えます。  その結果、子供自身や子供同士でできること、家庭でできること、地域の子供会などの団体が実施するさまざまな行事に参加すること、あるいは区が行う事業などに参加することなど、多様なものがあるかと存じます。このような多様な過ごし方を子供の身近なところで行っていくためには、家庭や地域の理解や協力とともに、区が支援していくことが欠かせません。  そこで、区としては子供たちが安全で有意義な過ごし方ができる選択肢をふやすため、「子どもサポートプラン」を策定いたしたものでございます。  次に第二問、完全学校週五日制に伴う土曜日の具体的な対策でございますが、これにつきましては、ただいま申し上げました子どもサポートプランにより対応していきたいと考えております。  具体的な内容としては、まず子供が充実した土曜日を過ごすため、家庭や地域が果たす役割を認識するとともに、それらが連携して子供の健全育成を図っていく必要があるというパンフレット等を作成し、完全学校週五日制の趣旨の普及を改めて図ってまいりたいと存じます。  また、従来からの学校開放を拡充するとともに、地区プールや美術館における土曜日の入場料の無料化、地区体育館での子供や親子公開事業の実施、社会教育館における土曜日午前中の研修室の開放、青少年プラザでのインターネットを活用した情報提供、学校においては夏季休業中における自主学習教室やパソコン教室など、子供を対象とした事業を実施し、子供にとって魅力ある場と機会、情報の提供等に努めてまいりたいと存じます。  次に第四点目、子供の読書活動の推進についてでございますが、学校や家庭において子供の読書活動を推進することは、子供たちがみずから学び、みずから考える力を育てていく上で極めて重要な意義がございます。これらを活発に展開することによって、これからの時代を担う子供たちが健やかに成長し、個性豊かな人格を形成するためにも有意義であり、その効用ははかり知れないものがあると存じます。  昨年十二月に子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されましたので、今後はこの趣旨も踏まえ、子供の読書推進を図ってまいりたいと存じます。  そこで第一問、朝の読書についてお答えいたします。  区立小・中学校において、現在、朝の十分間読書を実施している学校は小学校十一校、中学校三校でございます。さらに地域人材等を活用した読み聞かせや、休み時間や放課後の図書室の開放など、朝の読書活動以外の読書活動を実施している学校は小学校八校、中学校二校でございます。  新しい学習指導要領においても、学校図書館を計画的に利用し、その機能の活用を図り、児童・生徒の主体的な、意欲的な学習活動や読書活動を充実することが求められておりますので、今後とも各学校において国語科を中心に全教育活動を通して、一層、子供の読書指導の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に第二問、ブックスタート事業についてでございますが、子供が家庭や学校などで早い時期から絵本の読み聞かせや絵本に触れたりすることは大切なことでありますので、今後とも図書館としてはさまざまな機会に読書の意義や大切さを呼びかけるとともに、気軽に図書館を利用することで親が子供と一緒に絵本などを楽しむ機会をふやしていくことを考えてみたいと思います。  御提案のありました、乳幼児健診時に保護者に絵本等を配り、赤ちゃんや幼児と絵本を楽しむきっかけをつくり継続させていく、いわゆるブックスタート事業につきましては、絵本の普及だけでなく、子育て支援にもかかわってくる課題でございますので、今後、図書館関係者ばかりでなく、子育て支援、保健所等の関係所管と幅広く研究してまいりたいと考えております。  次に第三問、子供の読書活動の推進に関する施策の策定についてでございますが、「子どもの読書活動の推進に関する法律」施行に伴いまして、国において現在「子ども読書活動推進基本計画」の策定準備が進められているところでございます。  本区では従来から子供の読書活動について、図書館や学校を通し推進を図ってきているところでありますが、このたび、法律の中で自治体についても計画の策定が望ましいとされていることから、今までの施策や事業を精査し改めて体系化し、一覧性あるものとしてまとめていく必要があれば、計画の策定に向け取り組んでまいりたいと存じます。  また、推進体制の整備につきましても、これらの検討の中で考えてまいりたいと存じます。  次に、「子ども読書の日」の事業実施についてでございますが、子ども読書の日が制定されましたので、広く区民にお知らせし、子供自身が自主的に読書活動を行うきっかけとなるように、また、継続的に行われるようPRしてまいりたいと考えます。  図書館といたしましても、子ども読書の日に本の読み聞かせやおはなし会など、子供が関心を持てるような内容を工夫して実施してまいりたいと考えております。  また、学校においても、子ども読書の日に合わせて児童・生徒に読書の意義や大切さについて考えさせ、よい本を読む習慣がつく機会となるように指導してまいりたいと存じます。  何分、ことし初めての試みでございますので、まずは本年の実施状況を見て、今後の推進について具体的に検討してまいりたいと考えております。  以上、私からの答弁とさせていただきます。 ○白鳥哲雄選挙管理委員会事務局長 自席からお答えさせていただきます。  俵議員の第七点目の第一問、電子投票の導入についての御質問にお答え申し上げます。  電子投票の導入につきましては、従来、総務省、東京都それぞれに研究会が設けられ、多岐にわたり検討が進められ、この二月に至り最終報告の運びともなっておりますが、両報告におきましては、なお電子投票の円滑な導入、適正な選挙執行を図る上で、さまざまな問題が提起されているところでございます。  ところで、昨年十二月、極めて限定的に地方選挙を対象といたしましたいわゆる電子投票の特例法が公布されましたけれども、公職選挙法の本則はそのままであるため、さまざまな制約がございます。地方選挙に限ったことの理由にいたしましても、まず地方選挙についての試行のために設けられたものであること、すなわちトライアルという過渡的な段階を設け、まずは第一歩を踏み出すことを重点にし、その過程で発生する課題を整理し、さらに検討を進め電子投票の普及を図り、行く行くは国政選挙への導入を考えるというものでございます。  そこで、本区での準備についてでございますが、たまたま本区は東京都の検討研究会の一員といたしましてこの二年間携わってまいりました。その過程におきまして、本区の実情に照らし検討もいたしてきたところではございますが、人的・経費的な諸条件を考えましても現時点で導入のための準備を進めるには解決すべき課題が多く、さらなる検討を重ね慎重に対処すべきものといたしているところでございます。  次に第二問、開票事務等の効率化・迅速化についてでございますが、確かにその面のみに着目すればある程度の効果はございます。しかしながら、特例法による限りは近年増加の一方をたどる不在者投票はその対象とされておりませんから、当然に手作業となります。したがいまして、開票事務従事者は六ないし七割の減にとどまるのでございまして、迅速化にいたしましても当日投票分については確かにそのとおり申し上げられますが、全体といたしましては新聞・テレビで報道されるように瞬時にして完了とはまいらないものでございます。  次に第三問、不在者投票、みずから投票できない方々への対応を想定しての取り組みにつきましては、まさに電子投票を導入するに当たり重要なポイントになるものでございますけれども、不在者投票を目標といたしますには、公職選挙法の本則そのものの改正、すなわち選挙の公示または告示日と立候補届け出日を別に定めることや、投票日の概念そのものを変えることなど抜本的な改正が求められるものであり、本区独自においてこの取り組みを進めることはいささか困難かと存じます。  次に第四問、本区における今後を含めての考え方についてでございますが、本年十月と来年四月に予定される選挙への導入につきましては、時間的な問題もさることながら、莫大な経費負担を伴うものの、開票所要時間の著しい短縮が望めるとは思えない状況にございますので、現在のところ考えてございません。  また、今後を見通した場合、選挙執行は投票日前日の設営から始まり、開票作業の完了まで、トータルにそのメリット・デメリットの十分な検討を求められるところでございます。特に選挙人が投票するに当たりまして、候補者を選定する場合の機器操作が煩雑になることや、待ち時間が長くなることなども十分考えられるところでございまして、その対応によってはかえってマイナス面が生ずることも想定されます。時代の趨勢を考えればいずれ電子投票の導入は必然のこととは存じますけれども、現時点におきましては、なお課題の解決策を含め検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。  以上、お答えとさせていただきます。    〔「議長、二十四番」と呼ぶ者あり〕 ○宮沢信男議長 二十四番俵一郎議員。 ○二十四番(俵一郎議員) 電子投票について選管から発言がありました。そういう御答弁をされたわけですから、そちらの方に時間を割愛します。それは最後に。  一点目、区長、目黒区は非常に安心して生涯過ごせる地域ということで、評判が少しずつ上がってきているんです。一つの例として、シングルの女性、独身の女性が住みたいまちとして上位ランクなんです。そして、何よりも子育て支援を進めるに当たっても安心して住めるまちでありたいと、そういう特徴が出てくればいいなと、私、思っています。  そこで、目黒区のキャッチフレーズ、独身の女性がふえるということは特殊出生率の影響の問題を言う人がいますけれども、ともかくこれは女性に優しいまちだという面で売れますよ、こういう言い方も。そういう面で、やはりその根底には安全・安心があるからこそ言えるんじゃないかと、そういう意味でぜひこの辺は強調してください。  二点目、バリアフリーのまちづくりですけれども、ともかく特別委員会でも議論がありましたけれども、区役所の庁舎の移転に伴い、中目黒、あのまちを何とかしたい。非常に申しわけないんですけれども、中目黒の駅、おりたら暗い、狭い、汚い。申しわけないけれども、においもすると。これは、私は議会の一人として責任の一端を感じています。本当に目黒区の中心になる駅ですから、この辺はやはり鉄道事業者に言って、本当に中目黒というまちは中心のまちなんだということを強調してもらわなければいけない。ぜひ、その点お願いします。  それから、電子投票の件ですけれども、事務局長。これはどう見たって電子投票は間違いなく来るんです、この時代は。まず、長所を言います。電子投票の大きなメリットは、ともかく誤字・脱字・他事記載、これがなくなるんです。他事記載でどれだけ今まで苦労されたか。いつもそれで問題になっているんです。投票所と開票所を現在はオンラインで結ぶことが禁止されていますけれども、開票所ではコンピューターを使うことで瞬時に開票結果は判明するんです。こんな魅力的なことはないわけですから。  それを財政負担ですと。それは新しいものの導入にはお金がかかるんです。その点はやはりきちっと取り分けて明確にすべきです。将来、電子投票機と開票所をオンラインで結ぶことができれば、投票所から数分で開票結果が発表できるんです。こういう大改革が電子投票の役割なんです。  以上、その点を御答弁願います。 ○藥師寺克一区長 俵議員の再質問の最初の二点目まで私の方でお答えさせていただきますが、目黒区で安心して住み続けたいという方々に対しての施策でございますが、ここのところ引き続き夏に実施しております区の世論調査を見ましても、ずっと目黒に住み続けたいという定住志向の方々がいずれも九〇%を超えて年々ふえている。そういう状況は今、俵議員、おっしゃいますようにいろいろな条件が整っている。例えば都心に出るにも近い、買い物も便利だと、そして、まちも緑が多くていいとか、そういういろいろな条件があるようでございます。いずれにいたしましても、そういうさまざまな情報から見まして、目黒は安心して住み続けられるまちだと。  特に若い女性が多い、キャリアウーマンが多いということも聞いておりますが、現在、目黒区の世帯数は十二万世帯を超えているわけでございますが、そういう中でひとり世帯というのが統計では六万五千ぐらいあると。それだけ多くの単身の世帯が多いという、その中で女性がどの程度かということはまだわかりませんが、いずれにいたしましても、単身世帯が多いという結果でございますので、我々も先ほど来申し上げておりますように、安心して住み続けられるまちづくりにつきましては、これからも生活安全条例のもとで進めておりますような対策を続けながら、進めてまいりたいというように思っております。  それから、バリアフリーの関係で中目黒の駅につきましては、今指摘がありましたように、まちが暗いとかいろいろございましたが、そういうことをきれいにするように鉄道事業者の方にも申し入れをしてございますし、今回の再開発がいよいよ完成して事業が活動されるようになると、それなりにまちも、事業者の方もきれいにしてもらえるだろうと。とりあえずは改札口やバリアフリーに向けての段差解消なども進めていただけるというように考えておりますので、今後ともそういった面での取り組みは進めてまいりたいというように考えております。 ○白鳥哲雄選挙管理委員会事務局長 それでは、七点目の再度の御質問にお答えさせていただきます。  開票の点に限って速くなることは、これは間違いない。ただ、先ほど第二問でもお答え申し上げましたが、不在者投票が現行のままである限り、その部分に関しては一定時間、恐らく一時間、一時間半程度はかかる。疑問票も払拭できない。他事記載も払拭できないという現況にあるわけでございまして、私どものお答えといたしましては、その辺を含めて必ずしも電子投票そのもののメリットを否定するものではございませんが、なおトータルに見てさまざま解決すべき問題、それから不在者投票がそのままである限りでは、開票時間が巷間言われるような形にはならないということで申し上げましたので、この点御理解賜りたいと存じます。 ○宮沢信男議長 俵一郎議員の代表質問を終わります。  議事の都合により、暫時休憩いたします。    〇午後四時五十八分休憩    〇午後五時十五分開議 ○宮沢信男議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、十一番野沢まり子議員。    〔野沢まり子議員登壇〕(拍手) ○十一番(野沢まり子議員) 私は日本共産党目黒区議団を代表して、区長の所信表明に対する質問を行います。  第一は、今日、区政が取り組むべき課題についてであります。  区長は、安定・安心・安全のスローガンを掲げ、「思いやりの感じられるわかりやすい区政」「真の豊かさを実感できる区政」の実現を公約に掲げてこられました。この三年半、公約は実現されたのでしょうか。  この間進められた行革の最も代表的なものは、都が進める福祉切り捨て計画を真っ先に推進することでした。高齢者や障害者、ひとり親家庭など社会的弱者の命綱といえる福祉手当や医療費助成の縮小・廃止です。多くの都民が反対し、何とかこの施策を維持してほしいと、都庁前には冬空のもと寒風に吹かれながら、お年寄りや障害者が先頭に立って命がけの座り込みを続けました。  そのさなか、区長は都議会で予算も通らないうちに、これらの施策の縮小・廃止に向けた区の条例改悪を強行したのです。これを「思いやりの感じられる」「真の豊かさを実感できる」区政というのでしょうか。  それまでの敬老金の廃止やお年寄りの紙おむつの枚数削減、小・中学校の卒業アルバムの有料化に加え、強行した学校給食の民間委託は八万人もの反対の声を無視したものでした。さらに、高齢者の無料入浴券や鍼・灸・マッサージ券の廃止、特別養護老人ホームの職員削減、学校を初め施設計画修繕費の削減等々、福祉や教育予算が次々と切り捨てられてきました。  新年度には心身障害者手帳三級・愛の手帳四度の障害者福祉手当が一万二千円から一万円に引き下げられ、理髪サービスの自己負担額は千円から二千円に引き上げられます。現在、改定が進められている行革大綱のもとで、今後はさらに受益者負担の徹底と行政サービスの全面有料化や保育料、手数料の値上げ、民間委託の推進、職員の削減等々、一層の区民要求切り捨てと負担増が押しつけられようとしています。  その一方では、上目黒二丁目再開発に補助金で約七十八億円、区民交流プラザに約二十四億円、都立大跡地大規模施設に約百五十五億円もつぎ込み、さらに計画にもない庁舎関連用地や公園用地などの土地の購入が次々と進められました。庁舎関連用地だけでも百七十五億円余の千代田生命本社ビル以外に足立ビルやNEC寮跡地などに四十二億円にも及ぶ税金が投入されたのです。  そして現在は、バブル時代の計画である上目黒一丁目再開発や都市計画道路、大橋一丁目再開発、目黒線や東横線の立体交差事業などの都市計画事業が七割を占める実施計画と、新庁舎移転計画が推し進められています。「そんなお金があるのなら、なぜ区民を守る仕事をしてくれないのか」、これが区民の率直な声ではないでしょうか。  小泉構造改革で国民の暮らしは失業、倒産を初め、豊かさどころか、憲法で保障された「健康で文化的な最低限の営み」さえ奪う激痛に見舞われています。こうした状況にある区民にさらに追い打ちをかける行革は、明らかに自治体の住民の福祉増進を図る役割に反するのではないでしょうか。  九七年の行革委員会の提言でさえ、「実施計画の見直しに当たっては、判断の基本的方向性として「福祉、防災、安全、区民の基本的な生活条件に直接影響のあるもの」を優先」すること、また「伝統的な補助事業優先の発想を改めて……後年度負担など区財政に対する影響を、主体的・自律的に精査した上で、仮に補助金を見込める事業であっても……あえて計画化しないという見識と勇気を持つことも必要である」と指摘しました。今こそこの視点に立ち、実施計画と新庁舎移転計画を見直し、その財源を福祉関連事業など区民生活を直接応援する施策に回して、自治体本来の仕事に最大限の努力をすべきと思いますが、区長の考えを伺います。  第二は財政運営についてです。  目黒区は九四年の財政危機宣言以降も、さきに述べたように上目黒二丁目再開発を初めとする都市計画関連事業や都立大跡地大規模施設、計画にもない公園用地や庁舎関連用地の購入で財政状況を一層悪化させ、借金は九四年当時の六百四十二億円から今日まで八百七十八億円へと増加しました。さらに、百六十一億円もの財源不足を前提とした実施計画事業と二百四十六億円もの経費を要する庁舎移転計画を進めるため、新年度予算についてもバブル時代をしのぐ過去最大の一千百八億円を超える予算規模となっています。  多くの自治体が大型公共事業の見直しを進め、予算編成に当たっては、少なくとも今日の経済動向が区税収入にもたらす悪影響などに備える必要性を強調し、緊縮予算を組んでいます。東京都も昨年七月、十三年度予算をベースとして十八年度までの収支見込みを明らかにしたところですが、昨年夏以降急速に悪化した経済の中にあって、十四年度予算における都税収入が前年度より大幅な減収となる深刻な状況となったことから、改めて十四年度予算案をベースにした十五年度から十八年度の新たな財政収支の見通しを策定しています。  目黒区は一年前の予算編成に当たっては、「基金の取り崩しはもはや困難」と判断を下したにもかかわらずこれを覆し、千代田生命本社ビルへの庁舎移転にかかわる財政計画では、基金を六十九億円も取り崩し、現庁舎用地以外にも区民施設計画予定地を含む十二カ所の土地を売却、さらに二十六億円もの借金をしようとしています。  しかも、新庁舎移転計画は実施計画にないものでありながら、区長は「実施計画や新年度予算には影響を与えない」などと何の裏づけもない無責任な答弁を繰り返すばかりで、庁舎移転を含めた財政見通しはいまだに示していません。今日の経済状況から見れば、実施計画に掲げた事業を推進することさえ危ぶまれる状況にあり、いざというときの備えもなく、財政難を理由に先送りされた学校施設や保育所などの大規模改修の見通しもないという、無謀かつ無責任な財政運営と言えます。  日本発の世界恐慌に突入するのではないかと言われるほど深刻な経済状況を、区長はどのように受けとめているのでしょうか。こうした時期に自治体の長として、改めて区の財政見通しを区民に明らかにすべきと思いますが、見解を伺います。  第三は、人権と平和の尊重についてであります。  今日、大量倒産、大量失業をつくり出す不良債権の早期最終処理が進められる中、完全失業率は五・六%と最悪の記録を更新し続け、学校を出ても仕事につけない、リストラに遭っても再就職の先がないなど、生活の基盤が奪われています。区内の中小企業の状況を見ても、倒産件数は昨年度の五十五件に対し、今年度は十二月末で五十四件に達し、中堅どころの電気会社が五億円の負債を抱えて自殺・倒産するなど、不況の実態は一層深刻になっています。年間の自殺者は全国で三万人に及んでいます。  あしなが育英会の調査では、父親が自殺したために奨学金を受ける子供は三年前の八・五倍に急増し、過去最高を更新したことが明らかになりました。目黒区では就学援助費受給者が中学校で一四・七%、高校への進学も通学もあきらめなければならない子供がふえています。  また、高齢者世帯の所得は、全国の調査では約四割が年二百万円未満、目黒区の調査でもひとり暮らしは百万円未満が二〇・五%にも及ぶという中で、医療制度・社会保障制度の改悪はお年寄りに必要な医療も介護も受けられないという過酷な状況をつくり出しています。そして、最低限の生活はおろか、ホームレスとして生きる選択しかないところまで追い詰められるなど、人権さえ守られない事態が進んでいます。  憲法は、その前文で「われらは……ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とうたい、九十七条では「基本的人権は、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利」であることを明らかにしています。  今日ほど自治体が住民の福祉増進という本来の役割を求められているときはありません。現在、さらに構造改革の名のもとに推し進められようとしている医療・社会保障制度の改悪などから区民を守るために、区長としてどのように行動しているのか伺います。  次に、平和の問題です。  アメリカの同時多発テロ事件に端を発したアフガンへの報復戦争と、北朝鮮、イラク、イランを悪の枢軸と名指しして、テロ撲滅を理由に対テロ戦争を拡大する意思を明らかにしたブッシュ大統領に、小泉首相は全面支持・協力を約束しました。アメリカの報復戦争に率先して協力するために、憲法に違反する「報復戦争参加法」を制定し、外敵の攻撃から日本を守るはずの日米安保条約の規定を超えて、戦争に打って出るようになりました。NATO諸国と同じ後方支援を実行したのです。違いは、NATOが集団自衛権を宣言したのに対し、日本は憲法で認めていないために、集団自衛権の行使ではないとごまかしたことです。  今後は有事法制を整備し、戦争をしない国から戦争をする国へと事実上の憲法改悪を強行しようとしています。国民の財産である土地や家屋を強制使用したり、業者の物資を取り上げたり、医師、薬剤師、保健師、看護師、土木または建設技術者、大工、左官、地方鉄道、自動車運送・船舶運送の事業者と従業員等々、多くの民間人も輸送や補給、医療、通信、空港及び港湾などの役務に駆り出され、従わなければ罰せられるという規定を設けるなど、まさに強制的な国民総動員体制がつくられようとしているのです。  また、一月二十二日に政府が自民党に提示した「有事法制の整備について」と題する基本方針では、「住民の保護、避難、誘導を適切に行う措置」として「関係行政機関等による総合的な対応」として、地方自治体を含む行政の総動員がねらわれていることが明らかにされました。戦争に協力するために住民を動員するという仕事を義務づけられることになるのです。  平和を守ることは何よりも優先すべき国民の共通の願いであり、区長自身「平和と人権の尊重」を公約に掲げ、「すべての施策の基本的課題と位置づける」と表明してきたところであります。残念ながら、昨年とことしの所信表明から「平和と基本的人権の尊重」という区政執行の基本姿勢が消えました。平和憲法にのっとって区政執行を行う責務を負う区長として、今日の事態をどのように受けとめているのか伺います。  第四は、区長の政治姿勢についてであります。  公正・公平・民主的な区政運営を進めることは、区政の執行責任者として当然のことであり、その姿勢はみずからがかかわるあらゆる場面において貫かれることが求められます。  前回の区長選挙では藥師寺陣営の中で買収行為が行われ、最大の支持部隊、自民党の実質的な選対責任者であった元区議会議員と選挙事務所員として区内の団体を回ったり、選挙作戦づくりにも参加していた元区長室長が有罪となりました。今日に至ってもなお、この事件に絡んで右翼が街宣を続けているという状況にあり、事件は解決していないのです。  みずからの選挙にかかわる問題として、区長自身にその真相を区民の前に明らかにする責任と、この事件に関する道義的責任が問われているのです。十月に行われる区長選挙を前に、この事件にかかわる問題についてみずからの政治姿勢を明らかにすべきと思いますが、改めて区長の姿勢を伺い、最初の質問といたします。(拍手)    〔藥師寺克一区長登壇〕 ○藥師寺克一区長 野沢議員の四点にわたる御質問に、順次お答え申し上げます。
     まず第一点目、今日区政が取り組むべき課題についてでございますが、基礎的自治体としての区政は、常に区民の立場に立って考え実行する「思いやりとわかりやすい区政」の運営に徹することであると考えております。  バブル経済崩壊後、以前のような右肩上がりの経済成長は望めず、景気の先行きも不透明感に包まれるなど、区政を取り巻く社会経済状況は非常に厳しいものがあります。  一方で、地方分権改革の実現により、区はみずからの責任と判断のもとに区民のニーズを迅速かつ的確に区政に反映させ、新しい時代にふさわしい自治体行政を展開して、「真の豊かさを実感できる地域社会」の実現に主体的・積極的に取り組む必要があります。そのため、区は平成十二年度に長期計画を改定し、その具体的な実現が強く求められているところでございます。  区はこれまでも、平成十年三月に策定いたしました行財政改革大綱に基づき、事務事業の見直しによる財源確保や職員定数の削減、また情報の公表制度の実施や時代の変化に対応した組織の見直しなど、総合的・積極的な改革を進め、着実に成果を上げてまいりました。  しかし、区政を取り巻く社会経済状況は依然として厳しく、これまで以上に限りある行財政資源を有効に振り向けて、さきに申し上げました長期計画に掲げる施策の展開を図っていかなければなりません。また、平成十五年一月、新しい庁舎への移転を機に、区民の利便性の向上やサービスの充実を図っていく必要があります。新たな時代にふさわしい区政の中心拠点として、整備していく必要があります。  こうした中で、区は行財政改革大綱を改定し、これからも一層の行財政改革を推進していくこととしました。行財政改革は、それ自体が目的ではございません。いまだ回復の兆しが見えない景気動向や、国、都において進められる構造改革へ的確に対処していくものであり、そして何よりも現在及び将来の区民が安全で快適な目黒区という地域環境の中で、生き生きと生活できるようにすることを最終目的とするものです。  活力ある区政を進めていくため、区政の仕組みや事業を総点検し、施策の優先順位を見きわめながら、真に必要な事業に行財政資源を振り向け、総体として区民サービスの質の向上を図っていくものであるということを、議会、区民の皆様にわかりやすく説明し、御理解をいただくということが、行財政改革を進める上で大変重要なことであると存ずるところでございます。  私はこれからも区民の税金を一円たりともむだに使わないという基本姿勢を貫き、新しい世紀の分権時代にふさわしい行財政改革への取り組みを積極的に進め、区民に最も身近な基礎的自治体として住民自治をより活性化させ、職員の意識改革も図りながら、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指す所存でございます。  次に第二点目、財政運営についてでございます。  バブル経済崩壊後、区の財政が長期にわたり厳しい環境に置かれていることは御承知のとおりでございます。このような中にありましても、住民福祉の向上のため必要な施策を推進していくため、本区では実施計画の改定作業に合わせて中期の財政計画を作成し、これを基本として財政運営を進めているところでございます。  実施計画は、その策定に当たって広く区民の皆様に意見を求め、区として中期的に取り組むべき施策を取りまとめたものでございますので、各種の施設整備事業やまちづくり事業を含め、その着実な実行は区政運営の基本と考えております。  一方、それとともに実施計画に具体的に計上されていない施策であっても、その時点で対応が求められるものについては、財源の確保や財政計画への影響などにも配慮しながら、タイミングを逃さずに適切に対応していくことが必要でございます。  大規模公園用地の取得や新庁舎移転もそのような観点から進めてきたものでございまして、計画を基本に据えつつ、区民生活や区政のため必要な場合には状況に応じて機動的に決断し実行していくことが、基礎的自治体の長としての使命であると私は考えております。  区の財政見通しにつきましては、これまで実施計画の改定に合わせて作成する五カ年の財政計画として示してまいりましたが、平成八年度及び平成十二年度には特に厳しい財政状況を区民の皆様に御説明し、御理解いただく必要があるとの認識のもとに、「財政白書」を作成し公表いたしました。今後も実施計画の改定作業に合わせて財政見通しを明らかにしますとともに、現在の厳しい景気動向やその区財政への影響なども見きわめながら、必要に応じ区民の皆様に区の財政状況について御説明してまいりたいと考えております。  次に第三点目、人権と平和の尊重についての第一問、人権の尊重と福祉の増進についてでございますが、区政の運営におきまして、また住民生活のあらゆる局面におきまして、お互いの人権を大事にすることが人間性尊重社会の出発点であるとの認識のもとに、子供も高齢者も障害を持つ人も、女性も男性も外国人も、すべての人が人間として平等に大切にされる社会、何よりも人権と平和を尊重する社会をつくることは、本区の基本理念でございます。  そのような社会を実現していく上では、基礎的自治体である本区が、社会経済状況の変化や急激な少子・高齢化に適切に対応し、主体的な区政運営を行っていくことが重要であると考えております。  我が国は二十一世紀におきまして、今まで経験したことのない超高齢社会を迎えることとなるわけでございます。いわゆる労働人口の減少などによる社会保障制度における世代間の負担のあり方や、年金、医療の制度間の不均衡の是正なども社会全体として考えるべき大きな課題でございます。  また、少子・高齢社会の進展に伴い、従来の社会保障の考え方も大きく転換しております。例えば、高齢者でございますが、寝たきりなどにより介護が必要な方も、元気で社会活動に参加している方もおられ、一律に社会的弱者ととらえることには難しさもございます。このような状況の中、保健や福祉に関する制度も幅広い視点からの再構築が進められているところでございます。  本区は、今までもひとり暮らしの高齢者や、高齢者のみの世帯の増加、家族介護力の低下、保育需要の増加などの変化に対応し、高齢者も障害者も子供も、だれもが健やかに安心して暮らすことができるよう、保健・医療・福祉など、総合的に地域保健福祉を推進してまいりました。  平成十四年度につきましては、保健福祉サービス苦情調整委員の設置、介護保険制度における低所得者の保険料や利用料の減免制度の拡充、保育環境の整備など、区民が安心して暮らせるための施策を充実してまいります。  少子・高齢化を初めとするさまざまな環境変化の中で、住みなれた地域で安心して快適に、それぞれの特性を生かして自立した生活を営むことは、だれもが願うことでございます。このために必要な環境や条件を整備することが重要であると考えているところでございます。  今後とも区民一人ひとりの権利が守られ、ともに支え合う地域保健福祉のまちづくりを一層推進し、人権と平和の尊重を基本に、住民の福祉の増進に努めてまいる所存でございます。  次に第二問、昨年米国で発生した同時多発テロに端を発した我が国の動向を、区長は今日の事態をどう受けとめているのかということについてでございますが、最近のアメリカのテロ根絶のための動向にはいろいろな見方がございます。現在、国際情勢は大変厳しい緊張状態にあると認識しており、我が国においても危機管理の立場から平和を守るという目的の中で、必要な対応に努めているものと考えております。  本区におきましては、御承知のとおり平和をとうとび、平和を希求する区として昭和六十年五月平和都市宣言をいたしました。以来、毎年三月には東京大空襲写真展、八月には平和祈念のつどいを中心にさまざまな平和関連事業を実施し、区の平和に対する熱意を示すと同時に、区民に対して必要な啓発を行っております。  このように、だれもが平和を願っていることは自明のことであり、私は一自治体の長として、平和を守るために本区ができることを今後とも実行していく所存でございます。  次に第四点目、前回の選挙に関連した私の政治姿勢についてでございますが、一連の事態につきましてはまことに遺憾なことであり、重くかつ真摯に受けとめているところでございます。現在の私に課せられた責務は、山積する諸課題の解決に誠心誠意取り組み、真に区民のための区政を実現することであり、そのことこそが私に寄せられた多くの区民の信託にこたえることであると確信いたしております。  私は区長就任直後の平成十年第四回定例会において、「区民の幸せを一歩一歩前進させていくことこそ、自身に課せられた使命と考え、全力を挙げて区民がこの目黒区に住むことに誇りを持ち、真の豊かさを実感できるまちづくりの実現を目指すこと」を所信として申し述べたところでございます。  今もその信念はいささかも変わるものではなく、むしろ一層その意を強くしているところでございます。  私はそのような認識のもとに区政執行を預かる者として、今後とも全力を持って区政運営に取り組んでまいる所存でございます。  以上、お答えとさせていただきます。    〔「議長、十一番」と呼ぶ者あり〕 ○宮沢信男議長 十一番野沢まり子議員。 ○十一番(野沢まり子議員) それでは、何点か再質問したいと思います。  まず、財政見通しについてですが、今日の状況はだれの目から見ても今までにない、大変変化も激しいし、深刻な事態だということは明らかなんです。二十三区の予算編成を見ましても、こういう状況の中で十八区が前年度比でマイナスの予算を組み、プラスになっているのは目黒を含めて五区にとどまっているという状況です。先ほども言いましたように、東京都が昨年五年間の見通しを立てたのに、またことし改めて立て直したという理由として、幾つか問題を挙げているんです。政府の見通しが、やや改善の見通しが緩やかになっているということから悪化に改めたとか、あるいは第二次石油危機以降最大の落ち込み、これは鉱工業生産ですが、そういう落ち込みを記録したとか、あるいは完全失業率が初めて五%を記録してその後も悪化を続けているとか、倒産件数についてもバブル崩壊後の最悪を記録しているとか、特にそれに加えて世界同時不況のリスクが高まっているとか、いろいろ理由を挙げているわけです。  こういう状況から見て、東京都が財政見通しを立て直したらどういうふうに変化したのかということですが、例えば都税収入で見ると、十四年度の都税収入は前年立てた見通しに比べると、今回立てた見通しだと二千五百億円の減になっているんです。来年度は三千四百億円の減、その次も三千百億円の減ということで、毎年三千億円前後の減収になるだろうという見込みをしているんです。  やはり二十三区の予算編成を見ても、それから東京都の財政見通しを見ても、とりわけ目黒区は今までにない大きな事業を取り組むということと、それから今回なかなか実施計画に反映しませんでしたけれども、次の課題が控えているということを考えると、慎重な上にも慎重を期して財政見通しを立て、本当に区民への約束が履行できるかどうかという判断を当然すべきだろうというふうに思うんです。  そこで、伺いたいんですが、今回の実施計画の中には東横線の立体交差事業が含まれているんですが、これの総事業費というのはどのぐらいだというふうに見ていらっしゃいますか。一たんこういう大きな公共事業がスタートしますと、途中でやめるわけにはいかないんです。目黒線の立体交差事業にも見られるように、当初八十億円の区負担だといっていたものが、今は百四億円になるというようなことで、大変大きな財政規模になっても、それを途中でやめるわけにはいかないんです。こういう事業を実施計画の中に組み込んだというのは、その先の見通しも当然お持ちだろうというふうに思うんですが、どのぐらいの事業費だというふうに見ていらっしゃるのか。  それから、今回の実施計画には外されましたけれども、区民への約束であり、土地を購入するときの約束でもあった上目黒のJR跡地の福祉住宅、これの事業費をどのぐらい見込んでいるのか。そして、まだずっと先送りされてきた小・中学校の大規模改修にかかる必要事業費、どのぐらい見ているのか。保育園の耐震補強工事もどのぐらいの予算があればやれるというふうに見ているのか。これらの事業については待ったなしの課題ですから、やはりこういう大きな新庁舎の移転をしても、皆さんへの約束は、そして緊急な待ったなしの課題はしっかりと実行できるという見通しを示すのは当然だというふうに思うんですが、その点について伺います。  それとあわせて、庁舎の財源づくりで土地の売却を予定されていますけれども、先ほどからも出ていましたように、現庁舎の跡地も売るわけですよね。ところが区長は住民の皆さんには悪影響を及ぼすことのないようにという約束をされてきているわけですが、やはり百二十億円の売却による現金を獲得するというのが最優先だというような報道をされているし、区長もそういうふうにお考えになっているのかもしれません。  実際にこの土地を売るというときに、住民との約束を大事にしていくのか、百二十億円を最優先にするのか。もし、住民との約束を守るということであれば、住民との協議を一定されて、そして、この辺はこのまちはこういうふうにしようと、だからここの土地についてはこの程度でしかならないんだという、そういうものも持っていらっしゃるのかどうか、その点について伺います。  二点目は、人権の問題ですが、人権というのは憲法やあるいは老人福祉法、児童福祉法、母子福祉法など、そういう法律にうたわれたそのものを具体的に遵守して実現を図るということが、人権を守る自治体の、また福祉を増進させていく自治体の役割だというふうに思うんですが、今日、本当に大変な状況の中で、お年寄りの住宅問題、そして母子家庭の住宅問題、大変深刻になっています。  先日、高齢者福祉住宅の募集がありましたけれども、今回募集は単身が五十人、世帯が八組。去年一年間でどのぐらいの方が申し込んで入居できたかというと、単身者は二十人にとどまっているんです。世帯はゼロでした。申し込んでいる方たちは立ち退きを迫られたり、あるいは劣悪な住宅の中で、本当に住むところが確保できないという、基本的な生活の基盤とも言える部分で不安を抱いていらっしゃる。  この間、「広報めぐろ」にも高齢者住宅の計画が発表されましたけれども、こういう広報を見られたお年寄りは、本当にやってくれるんだろうと期待を持っているんです。ところが、今までの状況を見ていますと、とても期待にこたえられるような動きは見られないし、財政的な裏づけもない。こういう問題ですとか、今回、東が丘の母子生活支援施設が建てかえになると。フタバハイムがなくなることによって、目黒区は二十世帯分の枠がなくなるんです。そういうことが今年度末で生まれるということがわかっていながら、フタバハイムをフォローするというか、それを少しでもカバーするという計画にはなっていないんで、東が丘の二十世帯分をそっくりこちらへ移したという、規模としてはそういう状況になっているんです。  この間、委員会に報告がされたら、なぜその世帯分をふやせないのかと言ったら財政的問題だという答弁がありました。しかし、驚いたことには、今回地下には自転車集積所がつくられるというんです。地下の工事をしてまで自転車集積所をつくらなければならない状況なのか。しかも、工事費は二億円だというふうに聞きましたけれども、それだけのお金をかけることができるのなら、なぜ一世帯でも二世帯でもふやすということができないのかということを大変私は疑問に思いました。  また、保育園の待機児解消も、今、国を挙げての緊急課題ですし、この四月以降待機児として残される子供たちも七十人ぐらいに及ぶのではないかというふうに言われています。私ども、これまで繰り返し碑文谷三丁目の原町保育園の仮園舎は引き続き活用すべきだと。そうすれば、今、区が計画している上一の再開発ビルの中に予定されている保育所ができるまでの暫定施設として十分活用ができるんじゃないかというふうにこれまで提案してきましたけれども、これも退けられて解体が進められている。  さらに特別養護老人ホームの待機者は七百人を超えるような事態で、これをどうして解消していくのかという受け皿づくりについては、特別養護老人ホームに限定することなく、いろいろな方法を、例えばケアハウスなどをつくるというようなことを考えて対応していくということも当然の課題になっているというふうに思うんですが、これについても全く具体化がされておりません。  本当に財政が厳しいなどということは、今さら区民に説明しても区民は納得しません。財政難だ、財政難だと言いながら、二百四十六億円もの庁舎移転計画をすぐに実行できるという状況にあるということを区民は知っていますから、それはもう通用しないんです。  しかも、先ほど言ったように、自転車集積所には地下工事で二億円。しかも、今回売却する予定地としては碑文谷二丁目の集積所もあります。ここには八百四十台の自転車を置けたんです。平町二丁目の児童館の建設予定地ですが、ここも五百台の自転車が置けたんです。これは二つとも売り払うんですよ。そして今度、新たに下目黒二丁目には二億円もかけてそこでとめられるのは五百台です。本当に自転車集積所が必要だったら、この土地を売るということなく、もっと有効な土地の使い方があったんじゃないんですか。  しかも、NECには三十五億円もかけて自転車集積所を整備しましたけれども、あれを二段にすれば、たとえ売ったにしても、その五百台の自転車を集められる場所は確保できるはずなんです。こういうむだ遣い。  そして今回、千代田生命本社ビルの前の築山ですが、あれは公園にするというふうに発表されて、いろいろな補助金を引き出す理由に挙げていますけれども、あそこの通り数百メートル歩いたら三つ公園ができるんですよ、街かど公園も含めて。何のための公園なのか、どういう必要性があった公園なのかということは理解できないんです。  私は二問目に聞きたいのは、やはり人権を守る、それで本当に今、切実なお年寄りや母子家庭、そして子供たち、こういう人たちの生活の基盤を守るということは、自治体がしっかりと支援して支えていくという役割が求められているんじゃないかと。そういう仕事よりも自転車集積所が優先するのか、公園が優先するのか、庁舎が優先するのかということを私は伺いたいんです。  第三点目ですが、これは平和の問題です。  平和事業を取り組んでいるかどうかということを、私は聞いたわけじゃなくて、今、自治体が第二次世界大戦のときのように、赤紙を配って回らなければならないようなところまで組み込まれようとしているという事態なんです。それは、高村元外相もやはり憲法を改悪しなければならないと、それが本筋だという発言もされたりしているんです。先ほども指摘したように、既に基本方針の中では自治体まで組み込むということは、具体化に言われているんです。  民間人を動員するのは自治体の長の責任になるんです。そういう仕事をあなたはやろうとしているのかどうか、それでもしようがないということで受けとめようとしているのか。これが平和都市宣言をした自治体の長としての選ぶ道なのかどうかということを私は聞いているんです。再度、伺います。  最後の政治姿勢の問題ですが、山積した課題に取り組んでいく、これは当然のことですよ、区長。区長は皆さんの幸せのために頑張りますと公約したんです。だから、そのために努力するのは当たり前のこと。事件が起きようと起きまいと、それはあなた自身の公約なんですから、それを実施するということは当然のことなんです。  私が言っているのは、今まだこの事件、解決していないんだと。何回も何回も庁舎の周りを右翼が回ったり、そのたびに庁舎で仕事している人も庁舎を訪れた人も、そして周辺の住民も大変迷惑しているんです。こういう問題も含めて、事件の真相を明らかにするというのは、区長自身の責任じゃないんですか。こういう買収事件について、全国では連座責任をとらされた市長も出ていますけれども、内容というのはそのぐらい深刻な重大な問題だということを、区長がきちっと受けとめなければ、この問題、いつまでたっても解決しないんではないかというふうに思います。  再度、その点を伺います。 ○藥師寺克一区長 野沢議員の再度の御質問でございます。  まず、第一点目の財政見通しについてでございますが、今回、目黒区は一千百八億円ということで、過去最大の規模のものになった。これの大きな原因は、おっしゃるように二百億円余の庁舎問題の財源でございます。これを差し引けば御案内のとおりになるわけですが、これについては私どもはそれに必要な財源計画も立てておりますので、これは私は、別個に考えてよろしいというふうに考えております。  これはもう、長年の懸案でありました、課題でありました庁舎問題に、議会におかれましても庁舎特別委員会を設置して一体となって検討いただいてまいりました。その結果がこのように実現するということでございますので、私はそれに必要な財源を一般区政に影響しないような形でどうするかということで、今、取り組んでいるわけでございますので、それが高くなったということでありますので、それ以外では経常的な経費・収支の中で処理できるというように考えております。  それから、東横線の問題とか、あるいは福祉住宅の問題、それから学校施設の問題などについては、その時点時点で必要に応じて対応していくものだと考えております。  個々に申し上げますと、大分長くなりますが、庁舎の跡地の処理については、これは当初からこの周辺の方々にお話を申し上げて、まちが活性化されるように跡地についてはちゃんとした処分をしてほしいということでございますので、そういう御意見をお伺いしながら、今、庁舎の処分について検討を進めているところでございます。  それから、人権の問題については、私はやはり人権、平和という問題については、人間が生きていく上で最も基本的な権利でありますから、この問題については、私は真剣に取り組んでいくということはこれまでも申し上げてきたとおりでございますし、平和の問題におきましても、自治体の長としてその権限の中で行使できるものについては行使をしていかなければならない。これは当然の責務であるというふうに考えております。  それから、最後の私の選挙に関連した問題についてでございますが、私はこれまでも私自身の問題については、申し上げてまいりました。今度どうするかということについては、ただいま申し上げたとおりでございます。 ○十一番(野沢まり子議員) まともに私の質問に答えていただけないということがよくわかりました。  再度伺いますが、去年の十一月議会で、私は庁舎問題で一般質問させていただいたときにも、財政見通しのことについて区長に伺ったんです。実施計画を本当にやり切る見通しが持てるのかどうかと。そうしたら、そのときは実施計画の見直しの時点で、三年に一回のローリングの時点でその問題については処理していくということなんです。  ということになりますと、各区が非常に財政見通しが厳しいというふうに見ているわけですし、港区などはこれまでもかなり早い時期から大きな公共事業は見直ししてきたんです。それで、今は税収も戻っているようですけれども、それでも同じバブルショックのことは繰り返すまいということで、慎重さを持ってやっていると。葛飾についても財源不足をとにかく起こさないんだというような方向で予算編成がされているというふうに報道されております。  目黒区は今、大きな事業をやるだけに、本当に実施計画には影響を及ぼさない、そういうことを公言した区長なんですから、当然、その見通しは持つべきなんです。今のような経済状況でもやれるのかどうかというのは持つべきなんです。既に区税収入は、一%狂っているわけです。約三百五十億円ですから、三億五千万円。これが五年間とれば十数億になるわけです。二十億近いお金になるわけでしょう。  それから、庁舎移転に絡む事業もまだ数字として明らかにされていないものも出てきていますよ。しかも、実施計画だけではなくて、上目黒一丁目の福祉住宅については、JRの跡地を購入したということ。その約束から見ても、これは履行性にしなくてはならない義務があるんです。その事業費もまだつかんでいない。そのときになってから考える。一体どうやって具体化するのかというのは、全く見えないじゃないですか。こういうのを無責任というんじゃないんですか。  出しているんだったら出してもらいたいし、先ほどの話じゃないんですよね。そうすると、例えば碑小学校の改築とか、第二田道保育園の改築が、今回の実施計画のかなり後半の部分に出てきているんですが、これも事業化できるかどうかということは、今、約束できないというふうに見ていいんでしょうか。実施計画の改定のときに、区長は十一月に財政計画を見直すので、そのときに事業についても精査していくという判断を答弁されたんですが、そういう判断だというふうに受けとめていいんでしょうか。学校の大規模改修についても、そういうふうに受けとめていいのかどうか。  それから、私が聞きたかったのは人権の問題では、何を優先するのかということなんです。人権は守りますというふうにおっしゃられるけれども、自転車集積所や街かど公園を優先させて、本当に区民の税金を最も困っている、最も支援を必要としている人のところに回すことを優先しないのですかと私は聞いているんです。その判断を再度伺いたいと思います。  それから、実施計画については、区長は広く区民の意見を求めて策定したとおっしゃいました。財政の厳しさを区民に理解してもらうために白書も出されたというふうに言われるけれども、本当に区民の意見を聞くという姿勢があれば、当然大きな事業である庁舎問題についても、区民の意見を聞くべきだったんじゃないですか。  私ども、この間アンケートやりました。その集計をしましたら、購入すべきだと答えた方はわずか一〇%です。庁舎は古くても区民の施策を優先してほしいという人は四一%、財政計画を含めて区民と時間をかけて考えてほしいと答えた人が四九%なんです。九割の人たちはよしとしていないんです。こういう声があるということを、区長はどういうふうに受けとめているのか。  本当に区民の声を聞いて情報公開も含めてやるということであれば、当然こういう区民の声を聞くべきではないんですか。こういうアンケート結果が出たということについて、区長はどのように受けとめているのか伺って、私の質問を終わりたいと思います。 ○藥師寺克一区長 先ほどから申し上げておりますように、現下の社会経済情勢の中から、どこの政府・自治体においても、あるいは家庭においても、財政状況が厳しいということは同じだと思います。そういう中で、私どもも財政計画については、庁舎問題を除けば、今、野沢議員がおっしゃるような慎重な取り組みをしてきているつもりでございますし、また今後もそのつもりでございます。先ほどの碑小学校であるとか、あるいは第二田道の問題、つまり実施計画に入れているものについては、その実現に向かって取り組んでいくと。それらについては今後とも議会などに十分報告をしながら、御意見を伺いながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。また、庁舎問題などにつきましては、これは私はこれまで議会に御報告申し上げましたように、急なことでしたので、本来ですとこれまでもたびたび申し上げておりますが、事前に十分庁舎をどこにするか、どういうものにするかということは、報告し、意見を聞きながら進めていくのが筋であるというふうに私は説明してまいりました。区民とのつどいの中でも、それは説明してまいりましたが、そういういとまがなかった。本来、これは買うことについても十分考えなければならない取り引きであったけれども、この機会を逃すと再びこれだけのものを確保することは非常に困難だというような判断から議会にも報告申し上げながら、進めてきたんだということは区民の皆様にもお話をしました。私は、このために区民の皆さんとの報告会、説明会は三十回程度やったと思いますが、多くの区民の皆さんの意見は賛成の声が圧倒的に多かったと私はそのように考えております。  財政問題につきましては、やはりこういう状況でありますから慎重にいかなければならないということは、私も承知しております。したがって、今後、常に経済の状況、財政状況を見きわめながら進めていく。そして緊急な事態が発生したならば、それなりの対応はしなければならないと思います。やはり私は五カ年の実施計画、あるいは財政計画の状況を見直しながら、先ほど申し上げましたように、基本的には三年たった後のローリングを一つの目安にしておりますけれども、しかし、日々経済状況というものは慎重に見きわめながら対応していくということは、特に現在は必要であろうというように考え、そういう取り組みをしていきたいというように考えております。 ○宮沢信男議長 野沢まり子議員の代表質問を終わります。  以上で代表質問を終わります。  次の本会議は三月四日午後一時から開きます。御出席の方には改めて御通知申し上げませんから御了承願います。  以上で、本日の日程は終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。    〇午後六時十分散会...